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フォーブス ジャパン コミュニティプロデューサー


開発をする上で何が一番大変だったのだろうか。それは「山本や高橋の高い基準をクリアして、質の高い生理ショーツを作ってくれる工場を探すこと」だった。前例がないから需要が本当にあるかわからない。全国各地を回ったが、良い返事をしてくれる工場はひとつもなかった。その総数は20カ所以上を超える。

それでも2人は妥協せずに探した。そこで出会ったのが九州の縫製工場だった。その工場は主に尿もれショーツの製造に特化したメーカーで、顧客はベビーかシニアが大半だった。もっと広い世代に商品を使ってほしい、と考えていたところだった。

作り慣れている吸収体付きショーツの構造と生理ショーツが似ているという点に気づき、長年蓄積されたノウハウを活かせると確信した。日本の「尿もれショーツ」の製造技術は世界一とも言われている。奇跡の出会いを果たした両社は、開発を進めていく。

「実は、一度は『そこまでの開発は無理だ』とお断りしました」と、工場の担当者は明かす。山本と高橋のこだわりが想像以上に高かったのだ。2人は、何度も相手を説得し、自分たちの思いを丁寧に伝えた。その思いが伝わり、「ハードルは高いけれどBe-A Japanさんとならば出来るのではないか。一緒にやってみよう」と最後に担当者の心を動かした。

試行錯誤を重ね、ついに完成したのが「ベア シグネチャーショーツ」だった。「100回洗っても、吸収量が衰えないショーツができました」と山本は嬉しそうに語る。ブランド名は、「人生も世界も、望めば変わる」という想いを込めて、Girls Be Ambitiousから名付けられている。まさに山本と高橋の「(まずは)日本で一番女性を幸せする」という純粋な思いが形になったブランド名と商品だ。



今後は、子供用の小さいサイズのショーツも作っていきたいという。なかなか生理をオープンに語れない年頃。いきなり生理が始まってどうしていいかわからない時もある。学校の行事と重なる時もある。慣れていないからこそ、安心して履けるショーツが欲しい。クラウドファンディングを始めて、コメントを見るとそのような10代の子を持つ両親からの需要が多いことに気づいた。

また、発達障がいの娘を持つ母親からこんなコメントが寄せられた。障がいを抱える娘にこのショーツが非常に役に立つ。自分でナプキンを替えるのが難しいことから、大量に経血が吸収できるこのショーツを履かせれば、親としても安心できる。思わぬ需要に、山本も高橋もさらに幅広い層に使ってもらえるように、開発を進めている。

一般販売は7月30日のオフィシャルオンラインストアでスタートする。もうあんな苦い経験はしなくて済むかもしれない。女性たちの願いが、日本のものづくりの技術とともに形になった。

文=井土亜梨沙、写真=Be-A Japan

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