パンデミックは、若い親世代の食生活をどう変えたのか

Craig F. Walker/The Boston Globe via Getty Images

新型コロナウイルスのパンデミックによって、子どもを持つ人たちの食事に対する考え方が変わったことが、新たな調査研究で示された。その変化は必ずしも良い方向へ向かっているわけではない。

非営利組織「国際食品情報会議財団(International Food Information Council)」によるこの調査によると、子どもがいる人のほうが食生活に変化があった傾向が強く、間食の回数が増えたり、午後にコーヒーを飲んだりするようになったことがわかったのだ。また、不安を訴えたり悲観的な考えを述べたりする傾向が強いのも子どもを持つ人だったと、同財団の研究者で管理栄養士のアリソン・ウェブスター(Allison Webster)博士は説明する。

このオンライン調査は、18歳から80歳までの米国人1000人あまりを対象に、2020年4月8日から4月16日まで行われた。これは、米国で初めて屋内退避と自宅待機命令が出されてからおよそ1カ月後のことだ。調査では、年齢、ジェンダー、人種、民族、学歴、居住地域の人口動態が反映されるよう調整が行われた。

パンデミック中に食生活が変化


親たちは現在、仕事と子育てを必死になって両立させている。複数の仕事を持つ人もいる。「食事との関係性、飲食をめぐる行動という観点から見て変化が起きることは、驚くことではない」とウェブスターは話す。

調査では、10人中8人が、パンデミックが起きたことで食生活が以前と変わったと回答した。しかし、食生活が変化した傾向が一番強かった層は、子を持つ人、女性、35歳未満の消費者だった。

ウェブスターによると、食事に関する調査ではもともと、子を持つ人たちの回答が、ほかの消費者層とかなり異なるケースが多いのだが、今回の調査ではその差がとりわけ著しかった。

子どもがいる人は、食料品店に足を運んで買い物をすることへの不安がはるかに大きい。たとえば、18歳未満の子どもを持つ人の43%が、食料品店での買い物について大きな懸念を示した。子どものいない消費者の場合、その割合は33%にとどまっている。

ストレス要因はほかにもある。「親は、食料品店で買い物する際に、子どもを連れて行かなくてはならないことが多い」とウェブスターは言う。そのため、子どもを持つ人はオンラインで食料品を購入することが多い。

「少なくとも週に1度はオンラインで食料品を購入している」と回答した割合は、18歳未満の子どもがいる人で20%だった。それに対して、子どもがいない人はわずか8%だった。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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