ビジネス

2020.06.30

ギリアド、レムデシビルの価格ついに発表 注目のコロナ治療薬

Justin Sullivan/Getty Images

米製薬会社ギリアド・サイエンシズは29日、新型コロナウイルス感染症患者の回復を早める効果を臨床試験で示した初の薬剤であるレムデシビルの販売価格を発表した。同薬剤についてはここ数カ月にわたり、薬価をめぐる臆測が飛び交い、高い公益性と自社の利益や株主に対する責任との間でどうバランスを取るべきかが議論されてきた。

ギリアドの発表によると、公的医療保険を運営する先進国政府(米国のメディケアなど)に対しては、通常5日間(6バイアル投与)の治療1回につき2340ドル(約25万2000円)、1バイアル当たり390ドル(約4万2000円)、米国の民間医療保険企業に対しては治療1回につき3120ドル(約33万6000円)、1バイアル当たり520ドル(約5万6000円)に設定。発展途上国ではジェネリック医薬品メーカーにライセンスを付与し、価格を大幅に下げるとした。

ギリアドはレムデシビルの使用により患者の入院期間が4日間短縮でき、患者1人当たりの病院側のコストを1万2000ドル(約130万円)削減できると説明。価格は薬の価値を「大幅に下回る」ものだとしている。

同社のダニエル・オデイ会長兼最高経営責任者(CEO)は29日に発表した公開書簡で、「パンデミック下での新薬の価格の決め方について定型はない」とした上で、価格設定には「大きな責任」が伴ったと述べた。

編集=遠藤宗生

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