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2020.07.01

資源供給問題打開へ、テスラ、コバルト調達でグレンコアと契約

Getty Images


コバルトの価格は、2018年末には1トン当たり6万ドル超だったが、2019年には約2万5000ドルまで下落した。一方、コバルトサプライヤーの英ダートン・コモディティーズ(Darton Commodities)は、バッテリーでのコバルト使用量は、2016年の5万トンから、2030年までには32万トン超に急増すると予測している。

コバルトを掌握


アジア事業を拡大させようとしており、すでに上海のギガファクトリーでグレンコアのコバルトを使用しているテスラは、その計画でコバルトがアキレス腱とならないよう注意を払っている。しかし、コンゴ政府はコバルトの輸出税を50%引き上げており、さらに2018年末には、コバルトを戦略的資源に指定した。その結果、コバルトのロイヤルティは2%から10%に引き上げられ、テスラのような企業が製品の材料として用いるコストがさらに増大している。

モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)のリポートは、2050年までにEVの台数は全世界で10億台に達すると予測している。

コバルトをめぐる懸念


コバルトを使用するテック企業や自動車メーカーのほとんどは、児童労働に依存しているコバルト鉱山からの調達を回避する方策をとっている。しかし、サプライチェーンの末端であるバッテリーセルに行き着くまでには複数の仲介者が間に入るため、追跡するのは困難だ。

テスラは、自社サイトで公開したリポートを通じて、自社のコバルト調達について擁護しているが、アフリカにおける政情不安や、倫理的調達の問題に関する懸念を払拭するには至っていない。テスラは2019年12月、コンゴにおける人力でのコバルト採掘をめぐって、グーグルやアップルなどの企業とともに、人権保護団体から提訴されている。

翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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