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米国の株式市場では先週、食品スーパー大手のアルバートソンズのIPOが注目を集めたが、パフォーマンス面でベストな結果を残したのは、中国の上海本拠のテクノロジー企業だった。

ビデオ通話やライブ配信に必須のテクノロジーを提供する「Agora.io(声網)」は6月26日、米ナスダック市場に上場し、株価は売り出し価格の20ドルから50.50ドルに上昇して取引終了時刻を迎えた。AgoraのIPOは、1日あたりの上げ幅で2019年のビヨンドミート以来の好成績といえる。

Agoraは企業や開発者向けに、ビデオ通話やライブ配信サービスを簡単に実装できるツール群を提供している。同社の2020年第1四半期の業績は、前年同期の630万ドルの赤字から急回復し、利益は300万ドルで売上は3600万ドル(約39億円)だった。

Agoraの2019年の売上は6300万ドルで、その75%が中国企業との取引によるものだった。

他のインターネット企業と同様に、パンデミックはAgoraの業績に前向きな効果を与えたという。「長期的な影響はまだ見通せないが、2020年第1四半期は新型コロナウイルスの影響で人々が自宅で過ごす時間を増やしたことにより、Eラーニングやゲームの利用時間が伸び、当社の売上は上昇した」と同社は声明で述べた。

Agoraを2013年に設立したCEOのTony Zhaoは、ストリーミングサイトYY(歓聚時代)のCTOを務めた人物だ。現在49歳のZhaoは北京大学出身で、WebEx Communicationに務めた経歴も持つ。

フォーブスは6月26日時点で、Zhaoの保有資産を9億6200万ドルと試算しており、ビリオネアまであと一歩といえる状況だ。AgoraはIPOによって3億5000万ドル(約375億円)を調達した。

Agoraの上場は中国の著名な投資家らに莫大なリターンをもたらした。フォーブスの有力投資家ランキングのミダスリスト(Midas List)で2020年の6位に入ったRichard Liuも同社に出資しており、取締役に就任している。

また、今年のミダスリストで42位に初登場したShunwei Capital(順為資本)のコー・タックリエもAgoraに出資し、取締役を務めている。さらにGGV CapitalやCoatue Management Partners、Susquehanna International Groupらも同社に出資を行っている。

編集=上田裕資

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