(美容室GARDEN New Yorkの店内。撮影:Brian R. Moore)
店内は、席数を半分に減らし、席と席の間は6ft(約180cm)離している。さらに、席の間には透明の仕切りを設置している。席に着くと、客は使い捨てのビニールクロスを掛けられ、マスクを着用したまま施術を受ける。
美容師の服装は、30度近くある暑い日には苦しいほど厳重だ。まず、私服の上に作業着を着用する必要があり、お客ごとに着替える。マスクを着用した上に透明のフェイスシールドを着用すると、声が篭って聞き取りづらいほどだ。
(撮影:Brian R. Moore)
GARDEN New Yorkの美容師Ryota Tempaku氏によると、「透明のフェイスシールドがあるだけで視認性が低く、カットやカラーをするときに苦労する。またヘアドライヤーでブローをするとフェイスシールドに熱がこもり汗だくになる。マスクとフェイスシールドで二重になっているため、声が届きにくく聞き返されてしまうこともある」という。
(ハサミを消毒する様子。筆者撮影)
美容師が腰に装着するハサミ用のシザーケースも使用できない。ハサミやクリップなどはテーブルに並べ、お客様ごとに毎回消毒を行う
お客様が滞在したエリア、椅子やテーブルなども含め全てを消毒対応するため、今まで一人当たりのカット時間が1時間だったところ、1時間15分に枠を延ばした。間接接触を減らすため、支払いは現金ではなくクレジットカード払いのみだ。チップのみ現金で手渡すことができる。
店内での買い物も一部再開
(コスメストアSavor BeautyのBrynn氏。筆者撮影)
フェイシャルエステが予約5カ月待ちの人気コスメストア「Savor Beauty」では、経済活動再開の第一段階より店頭での販売を開始。今回の第二段階では、顧客を一度に2名まで店内に招くことができるようなった。
フェイシャルエステやネイルなど、直接肌の接触が発生するサービスは第三段階に含まれるためまだ再開はできていない。
(セレブリティも通う帽子店「THE HAT SHOP」店内。撮影:Brian R. Moore)
セレブリティが通う人気帽子店「THE HAT SHOP」でも店内販売を開始した。一度に店内に入れるのは1〜2人に限定し、マスクの着用は必須。また、帽子の試着は可能だが、試着する度にUVライトで帽子を消毒している。UVライトでの消毒対応は州の定めるガイドラインにはないが、お店の自己判断・自己負担で為されている。
「Withコロナ」への移行、まだまだ課題は多い
今回の経済活動再開の第二段階により多くの人の移動が増えること、また大規模な抗議デモは今でも続いていることから、新型コロナウイルスの第二波への警戒の声が高まる。
そんな中、各店舗が人との接触を最小限に止めながら営業するための様々な工夫が見られた。
しかし、ソーシャルディスタンスを保ちつつ営業するのは、予想以上に課題が多い。飲食店では、席数が限られるため、回転率や単価を上げる方法を模索する必要がある。
美容室では、安全に施術するための装備がスタッフへの負担だ。新型コロナウイルスの第二波により、再度営業停止になる可能性への不安も拭えない。