発表によるとYEEZY GAPは来年から始動し、求めやすい価格帯のアイテムをメンズ、ウィメンズ、キッズに届けていくという。ウェストは一定のパーセンテージのロイヤリティを受け取り、将来的にはGAPの株式を取得する可能性もあるという。
GAPはここ数年、ファッション市場で苦戦中だが26日朝にこのニュースが伝わると、株価は40%近く急騰し、前日比22%高の12.50ドルで取引を終えた。ウェストとの契約はGAPにとって明るい報せに違いない。同社のキャッシュフローは昨年末時点でマイナス1億3600万ドルだったが、6月上旬にはマイナス11億ドルまで悪化していた。
「GAPは困難な状況に直面している。長年の一貫性を欠いた運営によりブランドの価値が損なわれた」とCEOのソニア・シンガルは先日のカンファレンスコールで述べていた。GAP傘下にはバナナ・リパブリックやオールド・ネイビー、アスレジャーブランドのアスレタ(Athleta)がある。
ウェストは10代の頃にシカゴのGAPの店舗で働いた経歴を持ち、2015年のインタビューで「GAPのスティーブ・ジョブズになりたい」と述べていた。ただし、彼のYEEZYブランドのスニーカーは1000ドル以上で、カーディガンも925ドルで売られている。
彼は昨年のフォーブスのインタビューで、「著名人のブランドを成功させるためには希少性が大切だ。商品を作りすぎると価値が無くなる」と話していたが、アディダスとのコラボで販売中のYEEZYのスニーカーは苦戦している模様だ。
ウェストはアディダスとのパートナーシップで12億6000万ドルの契約金を手に入れていた。
しかし、著名人とのコラボが大手企業の株価に前向きな影響を与えることは(少なくとも初期の段階においては)、他の事例でも実証されている。ダイエット関連企業のWeight Watchersの株価は、2015年のオプラ・ウィンフリーとの提携で92%の急騰となっていた。
また、6月上旬に美容大手のコティが、ウェストの妻のキム・カーダシアン・ウェストのKKWの買収交渉を進めているとのニュースが報じられた際、コティの株価は7%上昇した。
ウェストとの提携がGAPの業績回復につながるかどうかは定かではないが、少なくともウェスト側に利益をもたらすことは確実だ。
「俺は根っこのところでプロダクト好きなんだ」と彼はフォーブスの取材に述べていた。「人に無上の喜びを感じさせ、人生の問題を解決させるプロダクトをつくる、そういうことをするのを俺は愛してるんだ」