コロナ「第2波」迫る米、抑制できそうなのは4州だけ

John Moore/Getty Images

米国では新型コロナウイルスの新規感染者が西部や南部のいくつかの州で過去最多を記録し、医療専門家らの間で感染再拡大への懸念が強まっている。NPOの「Covid Act Now」によると、感染拡大を抑え込める方向なのは東部のニューヨーク、ニュージャージー、コネティカット、マサチューセッツの4州だけだ。

Covid Act Nowは各州の感染率や陽性率、集中治療室(ICU)の余裕、接触追跡、今後の入院動向といった指標項目を分析して、ウイルスの拡大をリアルタイムで追跡している。それによると、これら4州では感染者が着実に減ってきている。

一方、経済活動の再開やロックダウンの解除後、ここへきて一部の州では新規感染者が過去最多に増えている。たとえば西部のカリフォルニア、南部のテキサス、フロリダ各州では、1日の感染者がそれぞれ5000人を超えている。ニューヨークとニュージャージー、コネティカットのトライステート・エリアでは、合計でも1000人足らずなのと対照的だ。

こうしたなか、ニューヨーク、ニュージャージー、コネティカットの3州は24日、フロリダやテキサスなど新規感染者が急増している州から訪れる人に14日間の自主隔離を義務づけると発表した。

ニューヨーク州のアンドルー・クオモ知事は共同記者会見で、「われわれは感染率を引き下げるためにたいへんな努力をした。多くの人がこの地域(トライステート・エリア)にやって来たために、感染率が上がるということにはなってほしくない。来訪者は文字通り、感染を一緒に持ち込むおそれがある」と危機感を示した。

Covid Act Nowによると、大半の州では感染者数の伸びが制御されているものの、西部のアリゾナ、中西部のミズーリ、南部のアラバマ、ジョージアの4州では「活発または差し迫ったアウトブレイク(大流行)」が続いており、重大なリスクにさらされている。

テキサスやフロリダを含む18州はアウトブレイクの「リスクがある」と分類されており、感染者は病院の対応能力を上回りそうなペースで増えている。

ニューヨーク、ニュージャージー、コネティカット、マサチューセッツの4州は、第1波で大きな被害を受け、とくにニューヨーク州はピークの4月に一時、感染拡大の世界的な中心地になった。4州はいち早く広範なロックダウン(封鎖措置)に踏み切り、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を取り入れていた。

これに対して、ほかの州はこうした対策を講じるのに時間がかかったり、マスクの着用を義務づけないなど制限が緩かったりした。
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編集=江戸伸禎

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