メディア王マードックの妻が米民主党に献金、開示書類で発覚

ルパート・マードックとジェリー・ホール(Photo by Dia Dipasupil/Getty Images)

メディア王のルパート・マードックの妻で、元祖スーパーモデルのジェリー・ホールが、今年5月に民主党のジョー・バイデンの選挙キャンペーンに500ドルを寄付していたことが、連邦選挙委員会(FEC)の開示書類で明らかになった。

書類が開示されたのは先週だが、これまでメディアの報道は無かった。

バイデン陣営がFECに提出した書類にもこの寄付は記載されており、寄付を行った人物の氏名は「ジェリー・マードック」で、住所も彼女の有権者登録の記録と一致した。500ドルという金額は、保有資産が172億ドル(約1兆8400億円)にも及ぶ大富豪の妻にしては少ないが、これは決して無視できる話ではない。

彼女の夫であるルパート・マードックは、トランプ寄りで知られるFoxニュースのオーナーなのだ。

1970年代に数多くの雑誌のカバーを飾ったホールは、これまでほとんど政治的な寄付を行っていない。一方で夫のマードックは、1987年以降に個人で50万ドル以上の政治献金を行ったことがFECの記録で確認できる。最も最近では、2019年にサウスキャロライナ州のリンゼー・グラム上院議員(共和党)に、5600ドルを寄付していた。

しかし、ホールは昨年、2人の成人した娘と共に雑誌のインタビューに応じ、民主党のバイデンらが推進するERA(男女平等憲法修正条項)のムーブメントに賛同する意志を表明していた。ちなみに、その2人の娘というのは彼女が元夫のミック・ジャガーとの間にもうけた子供たちだ。

「民主党の大統領選に向けたディベートで、選挙公約にERAを盛り込むかどうかが話し合われるのは、とても喜ばしいことだと思う」と、ホールは2019年10月の雑誌Harper’s Bazaarのインタビューで話していた。

「女性の投票はとても重要な問題だし、米国の憲法には私たちを性差別から守る条項が盛り込まれるべきだと思う」と彼女は述べていた。

バイデンは政策で、ERAの批准に向けて戦うと宣言している。

ホールは今年のスーパー・チューズデーの前に、ピート・ブティジェッジの選挙キャンペーンにも1000ドルを寄付した模様だ。FECの書類には「ジェリー・マードック」という名前の人物がブティジェッジ陣営に寄付をしたことが記されている。しかし、住所などの個人を特定可能な情報の記載は無いため、これが100%彼女であるとは断定できない。

フォーブスはホールの代理人に連絡を試みたが、回答は得られなかった。ルパート・マードックの代理人は、コメント要請に返事をしていない。

しかし、ルパート・マードックの息子のジェームズは、ピート・ブティジェッジの選挙キャンペーンの初期の支援者であることが確認できた。彼は2019年3月に、前インディアナ州サウスベンド市長のブティジェッジに2800ドルを寄付していた。

編集=上田裕資

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