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I write about wealthy people who shape the world in a variety of ways

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2015年の夏、スタンフォード大学への入学を控えたジョシュア・ブラーダー(Josh Browder)は、人々が駐車違反の罰金支払いを逃れるためのプログラムを書いていた。ロンドン生まれの彼は最近になってようやく運転免許を取得したが、既に複数の違反チケットを切られている。

そのうちのいくつかの違反は、不当なものだと彼は考えている。ブラーダーは「DoNotPay(罰金を払うな)」というサービスを考案し、瞬く間に5万人のユーザーを獲得した。

彼が立ち上げた企業DoNotPayは先日、1200万ドル(約13億円)の資金をシリーズAラウンドで調達した。Coatueが主導した今回の調達で同社の評価額は8000万ドルとされ、アンドリーセン・ホロウィッツやFounders Fund、Felicis Venturesも出資に参加した。

これらのベンチャーキャピタルは前回のシードラウンドにも参加し、合計460万ドルを出資していた。

ブラーダーはDoNotPayが「世界で初めてのロボット弁護士サービス」だと述べており、駐車違反に限らず、様々な消費者の権利を守るものだと主張する。

現在24歳の彼は、「航空会社はキャンセル便の利用者に対しお金を払わず、ポイントでごまかそうとしている」と語る。DoNotPayは、航空便のキャンセルや、サブスクリプションサービスの停止に直面した消費者が、企業を訴える際に力を発揮する。

自動化された弁護士サービスを用いることで、消費者は大金を払わなくても企業を訴えられる。銀行による手数料の取り過ぎを訴える場合にもDoNotPayは有効だという。

新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、大手フィットネスクラブの「24 Hour Fitness」が破産宣告を行った際には、1日で1000人がDoNotPayから、払い戻しの申請を行ったという。

ブラーダーによると、DoNotPay経由の訴訟件数は先日、100万件を達成したという。同社は既に損益分岐点に達し、米国と英国でサービスを展開中だ。

DoNotPayの利用にあたって必要なのは3ドルの月額費用のみで成功報酬はゼロで、広告も表示されない。ブラーダーは弁護士資格を持たないが、DoNotPayはアメリカ法曹協会(ABA)の推薦プロダクトに認定済みだ。

ブラーダーによるとDoNotPayの使命は、政府や大企業による搾取から人々を守ることだという。彼の考えではフォーチュン500に選ばれるような大企業のビジネス戦略は、可能な限り消費者を痛めつけるものだという。

「僕らがやろうとしているのは、普通の人々に、大企業と互角に戦うための法的ツールを提供していくことだ」とブラーダーは話した。

2017年当時、21歳だったブラーダーはフォーブスの「30アンダー30」の欧州部門に選出された。現在サンフランシスコに本拠を構えるDoNotPayは8人の社員を雇い、累計の資金調達額は1660万ドルに達している。

編集=上田裕資

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