クルーズライン国際協会は6月19日のプレスリリースで、「7月24日以降にできるだけ早く運航を開始できることを期待していたが、米国での運航再開に向けた障壁をクリアするためには、さらに時間が必要であることが徐々に明らかになっている」と述べた。
多くのクルーズ船運航会社が懸念しているのは、クルーズがキャンセルされたことで、顧客が「今後のクルーズに乗船できる無料券」ではなく、代金の払い戻しを求めることだ。クルーズが何か月にもわたって停止しているため、大手運航会社は現在、サバイバルモードに入り、資金燃焼をカバーできるよう流動性を高めている。カーニバルによると、5月31日現在、「新型コロナウイルスの影響を受けたゲストのおよそ半分が、現金による払い戻しを求めている」という。
クルーズ船運航会社の株価は、5月下旬から6月にかけて、力強い回復を見せていた。これは、経済の再開と、予想よりも速い景気回復をめぐって楽観ムードがウォール街に漂ったためだ。株価はそれぞれ、カーニバル株が28%、ロイヤル・カリビアンが36%、ノルウェージャンが50%上昇していた。
ところがここ1週間で、クルーズ船運航会社の株価は再び打撃を受け、およそ10%下落した。全米各地での新型コロナウイルス感染再拡大について、投資家が不安を募らせているためだ。経済活動が再開された州のなかには、アリゾナ州やテキサス州、フロリダ州、カリフォルニア州など、感染者数が非常に増加しているところがある。