ジョギングと「断崖からパラシュート」 統計リスクで比較してみた

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新型コロナウイルスの影響で延期となっていた日本のプロスポーツが動き出した。6月19日はプロ野球が再開されたし、7月4日にはJ1リーグが再開となる。スポーツ好きにとっては嬉しいニュースだが、コロナ感染リスクや過密日程による怪我のリスクを心配する声も少なくない。試合やトレーニングによって体を酷使することで免疫力が衰えるのがスポーツ選手だ。細かな配慮を行いながらの再開となることを願っている。

ことスポーツにおいてリスクはつきものだ。怪我のリスクはもちろんだが、場合によっては命を落とすことも。野球やサッカーでの事例はそう多くはないが、エクストリームスポーツ(危険さなどのある種過激な要素を持った、離れ業を売りとするスポーツの総称)に目を向けると、どんなにトレーニングを積んだ人でも、大きなリスクを背負っていることがわかってきた。書籍『もうダメかも 死ぬ確率の統計学』を参考に考えてみた。

「ウイングスーツ・ベースジャンプ」。命を落とすのは毎年15〜30人



映画『X-ミッション』

まず注目したのが、ウイングスーツ・ベースジャンプ。映画『X-ミッション』でも話題となったエクストリムスポーツの一つだ(プロモーションビデオ中で、テクニカル・アドバイザーのジェブ・コーリスは「僕は人類史上最高のスタントを目撃した」と言っている)。 

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主に断崖などの高所からウイングスーツを着て飛び出し、パラシュートを使いながら降下していく。時速は230キロもなる。まるでモモンガのように滑空するが、高所恐怖症の人には考えられないスポーツと言えよう。

危険なポイントは着地時だけではない。山や崖をかすめるように飛行したり、地面すれすれの位置を飛行することが彼らのモチベーション。仲間と一緒に飛んで接近飛行を試みるチームもある。いくつかのインパクトある動画が検索で見つかるだろう。スイス、フランス、イタリアなど高い崖が多い地域で行われており、ここ最近では15人から30人が毎年命を落としている。
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文=上沼 祐樹 編集=石井 節子

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