メル・ギブソンの反ユダヤ発言が再び炎上、SNSに抗議の声

メル・ギブソン(Photo by Michael Tran/FilmMagic)

女優のウィノナ・ライダーは自らをユダヤ系だと述べているが、先日のサンデー・タイムズの取材ではハリウッドの反ユダヤ主義について語り、メル・ギブソンの差別的言動を明らかにした。

ギブソンはある時、ライダーのことを“Oven Dodgers(焼却炉を逃れた連中の意)”と罵倒したのだという。このニュースがSNSで拡散すると、ギブソンに対する抗議の声が湧き上がったが、彼は以前から同性愛者やユダヤ人に対する差別的発言を繰り返していた。

最近では「ストレンジャー・シングス」の演技で注目のライダーは、次のように話している。

「親友のパーティーに出かけた時のこと。メル・ギブソンが葉巻をふかしていて、私たちは大声で話してた。すると彼は私のゲイの友達にこう言ったの。『おっと、俺はAIDSにかかっちゃうのかな?』って。それから、私に対してこう言った。『あんたは焼却炉で焼かれるとこだったヤツか?』」

メル・ギブソンの名は現在、ツイッターのトレンドに浮上し、人々の強い怒りを買っているが、ライダーは今回と全く同じ話を2010年のガーディアンの取材でも話していた。

ギブソンは一時、映画業界から遠のいたが2016年の映画「ハクソー・リッジ」の監督として業界にカムバックを果たしていた。この作品はアカデミーの作品賞や監督賞にもノミネートされた。

しかし、ツイッター上では、今度こそ彼が映画業界から完全に追放されるべきだとの声が噴出している。ギブソンは2020年公開予定の4つの映画に出演しており、製作費2300万ドルのパニック映画「Force of Nature」ではケイト・ボスワースと共演している。この作品は6月30日の公開予定とされている。

メル・ギブソンが最初に反同性愛発言で批判を浴びたのは1991年の事で、スペインの新聞El Paisの取材での発言に対し、LGBTQ権利擁護団体GLAADが抗議を行った。また、アルコール中毒のギブソンは2006年に飲酒運転で逮捕された際に、反ユダヤ主義的で性差別主義的な発言を行っていた。

さらに、彼は2010年に元妻のオクサナ・グリゴリエヴァに対し、電話で「お前がもしも、黒人の集団にレイプされたとしたら、それでも悪いのはお前なんだ」と話していた。グリゴリエヴァはその会話を録音しており、ギブソンをドメスティック・バイオレンスで訴え、勝訴していた。

今回のサンデー・タイムズのインタビューでライダーは、映画業界に根強く残る反ユダヤ主義についても話している。彼女はかなり以前、ある映画の役を逃したという。その映画スタジオの幹部自身もユダヤ系だったが、彼はライダーに対し「君は格調高い家柄の役を演じるには、見た目がユダヤ人っぽ過ぎる」と話したという。

編集=上田裕資

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