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フォーブス ジャパン編集部 エディター




そんな思いのもと生まれたAmplifiedは、発明を文章化するだけで類似特許を調べられるAIデータプラットフォーム。 1億2000万件を超える世界中の特許文献をディープラーニングで学習したAIが、 ユーザーの発明と類似する特許を数秒で発見し、 提示してくれます。

「あなたがスタートアップのCTOだとしましょう。画期的な新サービスと確信して開発を進めていますが、そのサービスが大企業に特許で抑えられていないでしょうか。そのリスクを確認するために開発を止めて1000件以上の特許を自分で確認しますか、それともリスクを承知で突き進みますか、あるいは数百万円をかけて専門家に調査を依頼しますか? これら全てが膨大な特許文献の中から適切な文献を見つけ出せない課題に由来しています。これは人間が発明をすればするほど、特許を申請すればするほど悪化する問題であり、特許制度の構造的な問題なのです。Amplifiedはこれをテクノロジーで解決します」(サムエル)

発明は社会の課題を解決していく一番の原動力


2019年11月にプライベート版を公開し、これまでに28の国と地域から600名を超えるユーザーがサインナップし、2200件の調査を行ったAmplified。サムエルによれば、実にアクセスの約80%が日本のユーザーだったという。

「これは私たちが意図的に日本市場に力を入れていることもありますが、日本が最も特許調査に詳しい市場だからです。日本の企業と発明者は、世界の中でも特に特許性の高い技術を保有し、そして特許出願やリスク評価のプロセスをきちんと行っています。これは、リスク回避を徹底する国民性もあるかもしれません。その分、肥大化する特許文献からの影響を深刻に受けているとも言えます。

そのため、我々は米国発のスタートアップではありますが、日本マーケットが適切なスタート地点と考え、まずは日本語と英語で調査できるプラットフォームを開発しました。日本が世界の中でも最も特許調査に詳しい、そして厳しい目を持つマーケットであるため、日本のお客様からのフィードバックは、製品の改良と検証に非常に役立っています。日本のお客様に満足いただけるレベルでのプロダクトづくりが、世界最高レベルのプロダクトをつくることに繋がっていくと思っています」(サムエル)

サムエルによれば、現在日本では特許出願数でトップレベルの上場企業、アメリカやドイツの大手調査会社や上場企業、各国の弁理士や発明者が利用しているという。

「発明は社会の課題を解決していく一番の原動力です。特許は独占権を与える代わりに発明の詳細を無償で公開させて、発明を奨励するための社会的な仕組みです。特許が無償の技術文献として機能するためには、発明に取り組む誰もが、簡単に見つけられて読める必要があります。だからこそ、私たちはAmplifiedを通じて、特許をよりスピーディに公平に利用でき、信頼かつ安定して利用できるようにしたいと思います」(サムエル)

今後は、中国語を含むより多くの言語への対応、一般技術論文等の特許以外のデータの搭載も進めていき、また特許実務における他の関連作業へのAI技術の適用にも取り組むという。

文=新國翔大

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