9. アルガルベ地方(ポルトガル)
ポルトガルは他のヨーロッパ諸国と比べて新型コロナウイルスの影響が小さく、感染率は40分の1。アルガルベ地方はアレンテージョ地方と同じくコロナ被害はほとんどなく、ラゴスなどの人気観光地ではコロナ関連死は1人も報告されていない。
アルガルベ地方はポルトガル本土の最南部に位置し、とりわけ家族連れに好まれている。金色の岩壁に沿って砂浜が長く伸び、岩に守られた入り江が点在する。海はブルーのグラデーションを帯び、静かさと暖かさに満ちている。
山の手では伝統的な生活を体験し、町や都市では各地の特色を楽しめる。シルベスにはイスラム王朝の遺跡があり、ラゴスは大航海時代を今に伝え、タビラは伝統的建造物がそこかしこにあり、アルガルベ地方への入り口であるファロは歴史地区が美しい。
ヨーロッパでは珍しく、アルガルベ地方の宿泊施設はプール付き別荘やアパートメント、ゲストハウス、小規模ホテルが60%を占める。大きなホテルには国の観光当局による「セーフ・アンド・クリーン」認証が掲示され、衛生・清潔のガイドラインを保証している。
ポルトガル政府は素早く対応し、主要産業である衣類メーカーは早期にマスクを製造して国外へ輸出もした。「数百キロメートルもの砂浜があるポルトガルは、夏の旅行に最適」とEBDは勧めている。
7月1日に観光客の受け入れを再開する。入国後の一時待機は必要ない。
10. シビウ(ルーマニア)
シビウは首都ブカレストの北西に位置し、トランシルバニア地方にある美しい都市である。
シビン川をまたぐように町が広がり、国内外から旅行者が訪れる。
文化や歴史、グルメ、多種多様な建築物(建物の屋根に2つの窓が突き出た特徴的な街並みから「目のある町」とも呼ばれる)、すばらしい自然が観光客を引きつけている。
2004年にはシビウの歴史地区がユネスコの世界遺産に登録された。2007年に欧州文化首都に指定され、翌年にはフォーブスが「ヨーロッパで最も牧歌的な土地8位」に選んでいる。さらに、2019年にはヨーロッパ美食地域のタイトルを獲得し、2020年にはEBDの「ヨーロッパ最高の旅行先6位」にランクインした。
市内には多くの緑地が整備されているが、ソフトモビリティ(環境に優しい交通手段)やレジャースポット、公園もあり、ヨーロッパ屈指のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を誇る。
ポルトガルのアゾレス諸島などと同じく、シビウも地球温暖化防止と環境保護のために厳格な政策をとっている。
自然と人類への敬意にもとづく持続可能な観光開発にも取り組んでいる。
ルーマニアの新型コロナ感染率は、被害が特に大きいヨーロッパ諸国の15分の1。シビウ周辺ではコロナ関連死は1人も出ていない。
国内の人口当たり病床数はベルギーやスイス、オランダよりも多い。
7月1日に観光客の受け入れを再開する。