アップルの地図アプリが「自転車用ナビ」でグーグルを追撃

Apple Inc.

アップルは6月22日、開発者向け会議WWDCでアップルウォッチ向けOSの最新版watchOS 7を披露し、iOS 14の概要を公開した。今回の注目ポイントの一つと言えるのが、サイクリング愛好家向けの機能だ。

アップルの地図アプリであるマップ(Maps)は既に公共交通機関や徒歩での移動ルートのナビゲーションに対応済みだが、間もなく自転車向けのナビに対応する。グーグルは2010年に自転車向けのナビゲーションをグーグルマップに導入していた。

アップルはグーグルに遅れをとることになったが、同社の自転車向けナビはグーグル以上のものになりそうだ。アップルのマップは自転車向けに複数のルートを提案し、勾配のきつさや自転車専用レーンの有無、混雑度の表示にも対応している。

また、iPhoneやアップルウォッチを用いて、目的地までターンバイターン方式で音声案内を行うことも可能だ。さらに、状況によっては自転車を抱えて階段を上ることをレコメンドするなどの、きめ細やかなナビゲーションが行える。

自転車用のナビはまず、ニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコのベイエリア、上海と北京などで利用可能になる。さらに、英国やカナダへの対応も進めているという。

アップルのマップは、競合のグーグルマップとの差を徐々に縮めつつあり、昨年はアップル版のストリートビューとも呼べるLook Around がiOS 13に追加されていた。

現状でも「Bike Citizens」などのサードパーティのアプリを用いれば、自転車のナビは可能だが、アップルが自社サービスにこだわる姿勢には大いに期待できそうだ。

一方で、アップルウォッチのwatchOS 7では睡眠トラッキングなどのヘルス機能が強化され、マシンラーニングを用いた眠りの質の分析が可能になっている。さらに、ワークアウトの強度の測定も可能になった。

watchOS 7のパブリックベータ版は7月にリリースされ、今年秋の新型iPhoneやiOS 14のリリースと同時に、正式版が配信される。

編集=上田裕資

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