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2020.06.24 11:30

「未来の乗り物」セグウェイが生産終了、米国で21人を解雇

ニューヨーク市警にも導入されていた(Angela Jimenez/GettyImages)

ニューヨーク市警にも導入されていた(Angela Jimenez/GettyImages)

かつて一世を風靡した“未来の乗り物”のセグウェイが、生産を終えることが明らかになった。セグウェイは6月23日、米ニューハンプシャー州ベドフォードにおける電動立ち乗り二輪車「Segway PT」の生産を7月15日をもって終了し、21人の社員を解雇すると宣言した。
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12人の従業員は業務を続行し、保証や修理の対応を行うという。ニュースサイトVergeの報道によると、セグウェイは今回の決定は新型コロナウイルスとは無関係だと述べている。

6000ドルもの高値で販売されるセグウェイは約20年前に登場して以来、一般レベルに普及することは無かったが、空港やモールの警備などニッチな領域で活用されてきた。

発売当時はクリーンな乗り物として注目を集めたセグウェイは、奇妙な外見をからかわれ、著名人が転倒してジョークの種になるケースも多発した。
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元大統領のジョージ・W・ブッシュは2003年にセグウェイから転落した事を報じられたが、2008年のG8サミットには自転車を持参して参加し、「同じ過ちは繰り返さない」と発言した。2015年の世界陸上北京大会ではウサイン・ボルトが、セグウェイに乗ったカメラマンに追突されて転倒した。2010年には女優のエレン・デジェネレスが、撮影でセグウェイに乗車中に転倒した。

セグウェイは2015年に中国企業のNinebotに買収された。しかし、2019年のNinebotの全売上に占めるSegway PTの売上はわずか1.5%だった。

セグウェイのプレジデントのJudy Caiは声明で、「21世紀初頭を代表するイノベーションであるセグウェイが生産を終えることは、多くの人々を落胆させるかもしれないが、これまで当社をサポートしてくれた人々に感謝したい。セグウェイのブランドが人々の暮らしにインパクトをもたらしたことを誇りに思う」と述べた。

セグウェイを1999年に発明したディーン・ケーメンは、世界初の携帯型人工透析機(インスリンポンプ)を考案したことでも知られている。収益化に苦戦したセグウェイは過去11年間で3回買収されていた。

2009年には英国の投資家ジミー・ヘセルデンが同社を買収したが、彼は翌年セグウェイに乗車中に転倒して亡くなっていた。

2013年に別の投資家グループの手に渡ったセグウェイは、2015年にシャオミ傘下のNinebotに買収された。NinebotはBirdやLimeが使用する電動キックボードを開発した企業としても知られている。

編集=上田裕資

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