経済・社会

2020.06.24 11:00

トランプ、選挙集会強行が裏目に 賭博サイトでバイデンの人気上昇

Photo by Win McNamee/Getty Images

トランプ米大統領は20日、新型コロナウイルス流行によるロックダウン(都市封鎖)と、黒人男性の死をめぐる全国規模の抗議デモ勃発後で初となる選挙集会を、オクラホマ州タルサで開いた。

今年の大統領選での再選が危ぶまれるトランプ大統領は、米国を代表する医療専門家の多くからの助言を無視し、選挙活動の再開を決断した。

賭博情報サイト「OddsShark.com」の2020年米大統領選オッズ追跡ページによると、トランプ大統領は6月4日までフェイバリット(優勢)候補とされていた。バーニー・サンダースとジョー・バイデンが民主党候補者の指名争いを繰り広げていたときは、トランプ大統領は全ての対抗馬候補に対して大きくリードしていたが、今年はサプライズ続きの年となっている。

選挙集会の開催は、逆効果を生んだ可能性がある。人気の賭博サイト「BetOnline.ag」では、トランプ大統領の集会が始まった直後にバイデンがリードを広げ、勝利のオッズはマイナス140からマイナス160(100ドル獲得するには160ドルの賭け金が必要な状態)になった。

BetOnlineのデーブ・メーソンがフォーブスに語ったところによると、選挙集会の夜に同サイトで行われた賭けの80%以上は大統領選に関するものだった。

「イベントが始まって間もなく、参加した支持者が明らかに少ないことでメディアやソーシャルメディアに衝撃が広がり、賭けはトランプの対抗馬に殺到した」という。賭けの86%がジョー・バイデンの勝利を予想するもので、バイデンのオッズはさらに上昇。OddsSharkによると、他のさまざまなサイトも同じ傾向にあった。

バイデンはここ数週間で、世論調査でも賭けのオッズでもトランプを抑えるようになった。今回の人気急上昇で最も興味深いのは、それがバイデン自身が起こした行動ではなく、行動を起こさなかったことによるものだという点だ。

トランプはタルサでの集会で、バイデンは地下壕に隠れている操り人形であり、自分自身で言葉を紡げないと批判した。

バイデンが数カ月間にわたりあまり表舞台に出ていなかったことは、どんな選挙であっても明確な危険信号となるはずだ。しかし、人々が隔離生活を要請され、メディアの注目が他の話題に向けられている今、バイデンの弱点が薄められる珍しい機会が生まれている。

BetOnlineでは、2020年米大統領選のオッズは次のようになっている。

大統領選勝利のオッズ


・ジョー・バイデン −160
・ドナルド・トランプ +130
・ヒラリー・クリントン +1600
・アンドルー・クオモ +5000
・ミシェル・オバマ +7500
・マイク・ペンス +10000
・ザ・ロック +10000
・マーク・キューバン +12500
・エリザベス・ウォーレン +15000
・ニッキー・ヘイリー +15000

民主党副大統領候補のオッズ


・カマラ・ハリス −115
・スーザン・ライス +225
・バル・デミングス +550
・エリザベス・ウォーレン +1200

共和党副大統領候補のオッズ


・マイク・ペンス −1200
・マイク・ペンス以外 +700

編集=遠藤宗生

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