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両者の出会いは、10年前にさかのぼる。戦略投資部にて、不良債権投資、プライベートエクイティ投資、不動産投資、さらには船舶投資を含む様々な投資実務に携わってきた斎藤氏が同社のヘッジファンド部門であるゴールドマン・サックス・インベストメント・パートナーズに異動してきたことにより、アミン氏と共にファンドマネージャー業務に従事することになったことがきっかけだ。斎藤氏によれば、「アイデアブック」の着想に至った背景には、二人の過去の経験に基づいた課題意識があるという。


クリプタクトのアズムデ アミン

「アミンと私がファンドマネージャー時代に行っていたことを個人でも出来るようにしたいと考え、開発したのがアイデアブックです。実は、ゴールドマンサックス証券を退職後、個人投資家として投資に向き合った際に感じた課題意識の一つとして、『投資アイデアを十分に議論する機会が圧倒的に不足している』ということがありました。もちろん、投資アイデアを長い時間をかけて議論したところで、誤った投資判断を行ってしまうケースは往々にしてあります。しかし、様々なシナリオがあり得ることを、他者の意見を見聞きしながら学ぶことは、非常に価値の高いことです。仮にそれが間違っていたとしても、その経験を通じて、次の投資判断に役立てることができます」(斎藤)

投資アイデアの共有を含む様々な議論によって、アイデアや仮説に「抜け漏れ」がないかどうかを確認しながら、自身の投資アイデアを磨き上げていく。このプロセスを通じて、様々な人たちの意見やアイデアを聞くことによって、自身の投資判断を確立していく姿勢が大切だと斎藤氏は語る。

「もちろん、個々の投資判断を最終的に行うのは自分自身です。しかし、その投資判断に至る過程における何らかの『見落とし』を最小化する上で、他者の意見を聞くことは非常に効果的な作業となる場合があるのです。この投資アイデアを補強し合う場として、『アイデアブック』を活用して頂ければと考えています」(アミン)

株式、為替、仮想通貨を含む約4000種類の金融商品に対応していることからもわかるように、アイデアブックというサービスを展開していく上では、かなり高いレベルの技術力が要求されることは言うまでもない。「創業当初から技術面をとにかく重視してきた」と語るアミン氏は、どのような方法で高水準なエンジニアリング組織を構築してきたのだろうか。

「私自身、技術畑の出身なのですが、テクノロジーの力を駆使することで、金融領域におけるプロフェッショナルとアマチュアの垣根を無くしたいという思いで、クリプタクトの創業を決意しました。弊社においては、チームメンバーの半数以上がエンジニアであり、その中でも、外国籍エンジニアが多くを占めています。人材会社の方々からのご紹介に加えて、『リファラル』でエンジニアが入社してくれるケースも多く、良い循環が生まれていると感じています」(アミン)

文=勝木健太 写真=小田駿一

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