ビジネス

2020.06.24

中国の「K-12教育企業」がシンガポールの競合を520億円で買収

シンガポールのカナディアン・インターナショナルスクール(Robert Ang / Shutterstock.com)

中国で最大規模のK-12教育サービス企業として知られる「チャイナ・メイプルリーフ(中国楓葉教育集団)」の株価は、6月22日の香港株式市場で約10%の急騰となった。同社はシンガポールのカナディアン・インターナショナルスクールを4億8700万ドル(約520億円)で買収し、海外進出を強化すると発表した(K-12とは、幼稚園から始まり高等学校を卒業するまでの13年間の教育期間を意味する用語)。

チャイナ・メイプルリーフの開示資料によると、同社は新たに3500人の生徒が通う学校を傘下に収めることになる。チャイナ・メイプルリーフは中国系カナダ人のSherman Jenが設立した企業で、中国最大の民間のインターナショナルスクールのネットワークとして知られている。

同社は今年3月30日時点で、4万3500人の学生を中国やオーストラリア、カナダ、マレーシアで抱えている。

中国の大連に本社を置くチャイナ・メイプルリーフは22日の声明で「シンガポールはASEANの経済及び金融のハブとしての地位を確立し、高い生活水準や優れたインフラ、低い犯罪率によって海外企業を呼び寄せ、投資や人材を招いている」と述べた。

同社によると、シンガポールには170万人の外国人が滞在しており、K-12教育サービス分野で最も魅力的な市場の1つに挙げられるという。

チャイナ・メイプルリーフは今年1月には、マレーシア本拠のK-12教育企業Kingsley Edugroupに、5500万ドルで買収提案を行っていた。

中国の教育関連企業はここ最近、海外進出を活発化させており、Hope Educationも3月にマレーシアのInti Education Holdingsの過半数株式を1億4000万ドルで買収する計画を明らかにしていた。Hope Educationには、中国の教育業界のビリオネアとして知られるChen Yuxinが出資を行っている。

中国は過去20年ほどの間で、世界最大レベルの教育市場に発展した。ニューヨーク市場に上場した中国のK-12企業の「TALグループ」の株価は昨年、3倍以上の伸びとなり、創業者のビリオネアのZhang Bangxinの保有資産はさらに増加した。

編集=上田裕資

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