警戒すべき増加傾向が見られるなか、米疾病管理予防センター(CDC)は、基礎疾患のある患者では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって死亡する確率が大幅に高くなることを示す報告書を公開した。
2020年1月22日から5月30日までに米国で新型コロナウイルス陽性と確認された患者のうち、基礎疾患のある人の入院率は、基礎疾患のない人に比べて6倍、死亡率は12倍にのぼった。
この報告書のデータは、検査で確認された新型コロナウイルス感染者132万人について、基礎疾患のある人とない人とで、入院率、ICU入室率、死亡率を比較したものだ。
新型コロナウイルス感染症患者で特に多く報告された基礎疾患は、心血管疾患(32.2%)、糖尿病(30.2%)、慢性肺疾患(17.5%)、腎疾患(7.6%)だった。
以下の表が示しているように、「基礎疾患あり」のカテゴリーに分類される人たちでは、新型コロナウイルスに感染した場合の影響がきわめて深刻になる。米国では、新型コロナウイルス感染症以外の面では健康であった人の入院率が7.6%であるのに対し、基礎疾患のある人では45.4%に跳ねあがる。
ICU入室率の差も歴然としており、死亡率も同様だ。CDC報告書によれば、基礎疾患のない患者の死亡率は1.6%であるのに対し、基礎疾患のある人では19.5%となっている。
米国で報告された新型コロナウイルス感染症患者の入院率、ICU入室率、死亡率
(n=1,320,488 2020年1月22日から5月30日までに米国で新型コロナウイルス陽性と確認された患者)