米国人の幸福感や「自国への誇り」が過去最低レベルに

Photo by Alex Wong/Getty Images


今回の調査は、成人2279人を対象に、5月21日から5月29日にかけて実施された。米国では、ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドが警察に首を押さえつけられて5月25日に死亡した事件をきっかけにして、人種差別と警察の暴力に対する抗議活動が全米に広がったが、今回の調査は、抗議活動が拡大する前に開始されていた。抗議デモには、米国人がすでに抱いていたストレスや孤独感が入り混じっていた可能性もある。

一方、2020年6月15日に世論調査会社ギャラップ(Gallup)が発表した調査結果では、米国で新型コロナウイルスによる死者数が11万6000人を超えたことや、それを受けた景気悪化、記録的な失業者数、大規模な抗議活動が、自国に対する米国人の誇りを傷つけているようだと述べられている。

ギャラップ調査では、米国人であることを「きわめて誇りに思う(extremely proud)」と回答した成人は42%、「とても誇りに思う(very proud)」という回答は21%。合わせて63%だった。この割合は、ギャラップが2001年に国民の誇りについて調査を開始して以来、最低水準だ。参考までに、2002年から2004年まで、このふたつのカテゴリーを合わせた割合は90%以上、その後も2016年まではずっと80%以上だった。

新型コロナウイルスの感染拡大が始まってまもない3月半ばにアメリカ精神医学会(APA)が実施した調査では、パンデミックが自分の精神的健康に深刻な影響を及ぼしていると回答した米国人は36%に上った。また、「トークスペース(Talkspace)」や「ブライトサイド(Brightside)」など、オンラインセラピーを提供するサイトに寄せられた相談件数は、3月に増加していた。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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