親がこう話せば、子どもの倫理観はうまく育つ

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全世界でシリーズ累計100万部超のベストセラー『ブレイン・ルール』の第2作目にあたる『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』がついに日本上陸。「賢く幸せな子になってほしい」と願うすべての親のために、科学的に何度も「正しい」と認められた子育ての手法だけが紹介されている。

本記事では「ダイヤモンド・オンライン」からの転載で、同書の一部を抜粋して紹介する。


しつけのコツは「きちんと理由を説明すること」


懲罰の効果を発揮させ、長続きさせ、子どものなかで内在化させるためのシンプルな方法とはなんだろう?

さまざまな実験をおこなった結果、どんな命令をしたときにも、ひとつの文章をつけくわえるだけで魔法をかけたように大きな効果を得られることがわかった。

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理由の説明がない「あのワンちゃんにさわっちゃダメよ。さもないと、タイムアウトだからね」

理由の説明がある「あのワンちゃんにさわっちゃダメよ。さもないと、タイムアウトにしますからね。あのワンちゃんはね、気が短いの。噛まれたら困るでしょ」

(タイムアウト......部屋の隅や別室などにしばらく座らせたり立たせたりするお仕置き)

どちらの言葉に対して、あなたなら肯定的な反応をするだろうか? よほどのへそ曲がりでないかぎり、二つ目の言葉のほうが素直に受けいれられるはずだ。

きちんと理由を説明すれば、子どもがその言葉に従う確率は急上昇する。

理由を説明する際には、なぜそのルールがあるのかをきちんと述べ、それを守ればどのような結果になるかもしっかりと伝える(この手法はおとなにも効果がある)。これは、子どもがルールを守らなかったあとでも活用できる。

たとえば、あなたのお子さんが静まりかえった劇場で大声をあげたとしよう。

その後、あなたは子どもに罰を与えるけれど、劇場で大声をあげた結果、ほかの人たちがどれほど迷惑したかという説明もしなければならないし、きちんと謝るなど、なんらかの行動を起こす必要があることも伝えなければならない。

「誘導的しつけ」は道徳心を育む


子育ての専門家たちは、これを「誘導的しつけ」と呼んでいて、この手法には大きな効果がある。

誘導的しつけをおこなえば、子どもに道徳心を与え、それをさまざまな場面で適用させることができる。

ところが、なんの理由も説明されずに、ただ罰だけを受けた子どもは、罰を受けたのは自分が悪いからではないと考える。そして、権力をもつ人間を警戒するようになる。

自分の胸のうちの道徳のコンパスに従って理性的に行動するのではなく、外部の脅威と思えるもの次第で行動を変えるのだ。

結論。親が一貫して明確な境界線を示し、その境界線を越えてはならない理由をきちんと説明すれば、子どもは道徳心を育てられるようになる。

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ジョン・メディナ著、栗木さつき訳『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』からの抜粋

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