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freee執行役員CMO 川西康之

スモールビジネスの苦境が日々色濃くなっている。

経済産業省が発表した「2020年版 中小企業白書・小規模企業白書」によると、新型コロナウイルス感染症の影響として、全国1,050か所に設置している「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」には2020年3月末までに30万件近い相談があり、そのほぼ全てが「資金繰り」関連だという。

相談者の内訳は飲食業が28.5%、製造業が21.5%、卸売業が17.9%、小売業が17.8%。具体的な影響として、中国の生産や貿易が減少したことによる中小企業への影響、インバウンドをはじめとする国内消費の減少、小売業での業況悪化などが挙げられていた。

2020年6月現在、中小企業や個人事業主向けに、持続化給付金を始め、様々な金融支援策が実施されているが、必要書類の用意や申請方法などで煩雑を極めているものや、給付までに時間がかかるものなど、今すぐ支援を受けたい企業は日に日に追い込まれているのが現状だ。

そこで、「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げるクラウド会計ソフト企業freeeが立ち上がった。スモールビジネスに向けた新型コロナ対策支援プロジェクト「PowerToスモールビジネス(以下PTS)」を立ち上げたのだ。



freeeではオンラインセミナーの開催や、「新型コロナ対策融資・持続化給付金利用シミュレーション」サービスの無料提供など、中小企業を救うためにスピード感を持ち、適切な支援をマッチングさせる支援を行なっている。

なぜクラウド会計ソフトの企業が、採算を度外視して新型コロナ対策支援プロジェクトを始めたのか。freee執行役員CMOの川西康之に話を聞いた。

同時多発的なムーブメントとして始まった「PTS」


新型コロナの感染拡大に伴い、3月初旬から出社を禁止し、リモートワークに入るなど、早めに対策を立てていたfreee。飲食店などスモールビジネスに対する影響が出始めた4月初旬ごろ、社員の間から中小企業支援のアイデアが次々と出てきたのが始まりだったという。

「スモールビジネスと向き合っている弊社として何かできることがないか。社員それぞれから同時多発的にアクションが起きました」と川西は語る。そのムーブメントに対し、社としてコミットしたいと感じたという。freeeという会社を知ってもらうためのプロモーション的な側面を狙う以上に、「スモールビジネスを、世界の主役に。」という会社のミッションに対して忠実に行動し、サポートすることが大切なだと感じ、全社的プロジェクトとして「PTS」という枠組みを作り、動き出した。

PTSの取り組みは2020年6月段階で主に5つある。

1.   リモートワークノウハウや融資・助成金等についての「オンラインセミナー」の開催

2.   融資制度や利子補給制度の可能性が確認できる「新型コロナ対策融資・持続化給付金利用シミュレーション」サービスの提供

3.   『freee 受発注サービス β版』をアップデートし、スモールビジネス同士の取引が活発になるような機能を組み込む「みんなで、スモールビジネスを助け合おう」キャンペーン

4.   freeeプロダクトのコロナ対応と利用方法の紹介

5.   75社以上のアライアンスを持つ「#取引先にもリモートワークを


新型コロナ対策融資・持続化給付金利用シミュレーション」サービス。売上状況と質問項目に答えればすぐに自社が利用できる可能が高い新型コロナ対策融資・給付金制度が案内される。

スモールビジネスが苦境を乗り切る強さを身につけ、ポストコロナのイノベーションを生み出すきっかけを創るのがPTSの役目だと自負している。

5月に開催されたオンラインセミナーでは、freeeが想定していた以上に参加者の世代や職種が多岐にわたっていたという。

「初めてZOOMを使うような人もいましたし、参加した方々の事情は千差万別、悩みもそれぞれでしたね」

川西によると、最も多かった課題は『そもそもどんな支援策があるのかわからない、知らない』ということだったという。

「困っている中小企業の経営者は、何の支援策が自分に該当するのかわからない。また、同じ業種の人たちがコロナ対策でどんな工夫をしているのか、いい事例があっても情報が届かない。必要な情報が知らない、届かないことで損をしている人が多いことがわかりました」



DX、アライアンスからイノベーションへ可能性を広げるPTS


PTSは課題を浮き彫りにし、解決するだけではなく、次のステップにいくためのきっかけとして活用してもらいたいと川西は強調する。

「今、一時的な不況に陥っている現状に対して必要な対策や事例が届くと同時に、これからまた同じような事例が起きた際に活用してもらいたいですね」

さらに、ポストコロナの世界はDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応を否応なしに迫られる。その際に、PTSをフル活用してもらいたいとも考えている。

「freeeとしては忸怩たる思いがあるんです。我々がもっと頑張っていれば、経費精算のためだけに、またはハンコを押すためだけに出社しなくてはいけない人たちをもっと減らすことができたかもしれない。DXを進めていくことで、出社せず自宅作業で行える業務は広がっていきます。DXといっても、基盤になるところから、普段オフラインにしているものをオンラインにする、パッケージ型のものをクラウド化するなど、その段階は会社によって様々。変化に強いスモールビジネスを作るためにも、PTSを通じてDXに対する取り組みを重視し、再びコロナのような問題が起きても大丈夫、という環境作りをしてもらえるとうれしいです」

金融支援策やDXに関する情報収集の他にも、PTSに常時アクセスすることによって、イノベーションや新しいステージを生み出すことをも期待できる。ピンチをチャンスに変える機会になりうるのだ。

「PTSを日々アップデートしていくことで、仲間や異業種間でアライアンスを組み、自分たちのイノベーションを起こせる可能性も出てきます。小さなイノベーションを生み出すうちに、社会全体の大きなイノベーションとなっていく。PTSはそうした発信基地としての一端を担う場所にしていきたいですね」

イノベーションが起きる土壌をより豊かにしていくのがfreeeの使命


ポストコロナ時代に向けて、freeeができることとは何か。

「我々のプロダクトは、単なるソフトウェアではなく、使うことで自然と会社経営がスマートになることを目指しています。freeeとは経営を強くするツールであり、時代の変化に強く、様々な状態に対応できるツールとして利用してもらいたい」

社会の進化を担う責任感を感じているという川西。「コロナによって大きな変化が起きている今、試行錯誤して努力して、変化に対応しようとする人たちを全力で支えたい。コロナを契機に新しいことを導入し、むしろ忙しくなった人の話を聞いていると、これぞスモールビジネスの醍醐味だと感じます。我々にとってスモールビジネスは究極の自己表現で、イノベーションはここから起きると思っています。必要性こそイノベーションの母です。だからこそ、イノベーションが起きる土壌をより豊かにしていく、パワーを与えられる場となればいいと思いますね」

毎日アクセスすることで、迅速で的確な融資・助成・支援、アイデアなどの情報を受けられるとともに、同じ境遇で戦い続けるスモールビジネス同士の連帯や、オーブンイノベーションにつながるようなマッチングも期待できるPTS。コロナという逆境をバネに、ここから生まれる、freeeとスモールビジネスの新たな挑戦が見えてくる。

▶中小企業・個人事業主への支援活動サイト PowerToスモールビジネス

 

Promoted by freee│text by 石澤理香子│photo by 小嶋裕

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