ビジネス

2020.06.22

小売業の救世主ショッピファイ、その「アンチ・アマゾン」戦略

Ali Jabber / Shutterstock.com


ショッピファイの事業は大きく拡大している。2012年の時点では、同社サービスを利用する小売業者はわずか4万2000社だった。それが今では、ショッピファイのサポートを受けてオンラインストアを立ち上げた企業は、全世界で100万社を超える。

2019年の1年間で、同社プラットフォームを経由した商品の販売額は600億ドル(約6兆4140億円)に達した。これは、同社が「嫌われ者」だった2015年の実績と比較すると、実に7倍という急増ぶりだ。

今やショッピファイは、世界の小売業者(オンラインとリアル店舗の合計)で15位にランキングされている。これは、ホームセンター大手のロウズ(Lowe’s)に迫る規模だ。

企業経営者の世界を広げるショッピファイ


冒頭で紹介したジャン・バーギーと、彼女が経営する店舗を例に考えてみよう。これまで、バーギーが営む店を訪問できるのは、実店舗があるミズーリ州の住民に限られていた。だが今では、ショッピファイのサポートを受けて開店したオンラインストアのおかげで、米国内のあらゆる所に住む顧客に販売できるようになった。

支払いや出荷、マーケティングといったオンライン販売の基幹業務はショッピファイが引き受けてくれるので、バーギーは、唯一無二のものづくりを担う、世界中の職人を探すことに集中できる。

大半の投資家が見過ごしているが、ショッピファイは、小売業界の既成概念を打ち破る、真に革新的な企業だ。「アンチ・アマゾン」として自らの地位を固める同社の株は、長期保有すべき銘柄と言えるだろう。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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