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新型コロナウイルスをきっかけに、これまでのロジックだけではサバイブできぬ時代を迎え、私たちは何をどう見、考え、未来に備えたらよいのか。

企業、経済、社会。全てのフォーマットが変容を求められる未曾有の世界に対応するため、各界の識者から智恵を集結、「アフターコロナのニューノーマル」と題し、シリーズでお届けする。

今回は、経営共創基盤 代表取締役CEO 冨山和彦氏、クオンタムリープ代表取締役会長ファウンダー 出井伸之氏に伺った。


──今回のパンデミックの影響は? そして、世界の経済地図はどう変わるのか。

冨山和彦(以下、冨山):医療も仕事もリモートで遠隔操作できることが実証されたコロナ後は、間違いなくデジタル・トランスフォーメンションが加速していくと思いますね。これから先は大量生産の時代ではなくなり、物売りよりソリューションベースの仕事が大きくなるはずです。アメリカの強みはそこにあるので、経済は一時的に極端に落ち込んでも、回復は早いのではないかと思います。そして、それは中国にも同じことが言えるわけです。

──危機を乗り越えるための方策、さらに政策の下支えについては?

冨山:もちろん、財政出動はやる。でも、それは会社や世帯を救おうとするのではなく、個人的な悲劇が起きないように、弱者としての個人を救うこと。そして、最も理想的なパターンは、そこで今の日本の産業界にとって必要な新陳代謝が起きること。つまり、倒れるものは倒れるという、産業界の自然淘汰が必要なんです。

アメリカは失業率が高くなることを恐れずに、弱体企業を潰して、産業シフトを加速するという社会構造が既に出来上がっている国なので、今を含め、これから先も間髪を入れず、整理の段階に入っていくと思います。

だから、今NY、ロンドンは忙しく動き回っていますよ。シャープに落ち込む経済は、その跳ね返りで戻りが早いけれど、傷口をなめ合う日本は落ち込みもゆるい代わりに、回復も遅いと思います。

──日本には真の意味で技術力があるのか。それともあるけれど、使えないのか? どちらなのでしょう?

冨山:野球で活躍していた選手が、急遽サッカー選手としてプレーするようなもので、技術で勝ち、ビジネスで負けるというのはあり得ない。アーキテクチャー(組織構造)の並び替えをする技術がないのは、ビジネスができないのと同じことで、大切なのはサッカーを強くするためのコーチング。何回も言うように、これからの時代は、ハードウェアを大量に使って、大量に売るというビジネスモデルは存在しない。

──新たな時代に対処する方法、そして、復活のカギは?

出井:これから先、日本にチャンスがあるとすれば、例えば人口が多いインドや、インドネシアなどをはじめとするアジア諸国とのビジネスに活路を求めていくこと。今までモノづくりをして来た日本には、まだまだモノづくりに長けた人材がたくさんいる。

文=賀陽輝代 構成=谷本有香

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