ビジネス

2020.06.22

ロビンフッド、利用者の自殺受けアプリ改善を発表

Getty

投資アプリ「ロビンフッド」を利用して株取引を行っていた20歳の若者が自殺したことを受け、同アプリの創業者らは声明を発表し、サービス利用条件の厳格化と教育コンテンツの強化、オプション取引のインターフェース改善を表明した。

アレクサンダー・E・カーンズの自殺については、フォーブスが先週、最初に報じた。カーンズはロビンフッドのアプリに表示された取引結果を正しく読めていなかった可能性があり、彼の死は知識の乏しい若者を対象にした投資サービスがはらむ危険性を浮き彫りにした。

こうしたサービスは利用者から手数料を取らず、「ゲーム感覚」のインターフェースで若者層を引き付けている。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により人々が巣ごもりを強いられる中、大学生だったカーンズを含む多くが株取引を始めた。ロビンフッドは2020年第1四半期だけで300万件の新規アカウントを獲得している。

ロビンフッドの共同創業者、ブラド・テネフとバイジュ・バットは19日に発表した声明で、「この悲劇には個人的に打ちのめされている」とした上で、「ロビンフッドの顧客体験改善」を誓約。複数のレッグ(注文)を組み合わせた権利行使や割り当てを含むオプション取引にかかわるプラットフォーム調整を検討していると述べた。

ロビンフッドはまた、購買力の表示方法を含むユーザーインターフェースの変更にも取り組んでいると表明した。カーンズは、自身のアカウントに1万6000ドル(約170万円)の残高が表示されていたものの、購買力と現金残高として示されていたマイナス73万ドル(約7800万円)という数字を負債額と取り違えていた。

フォーブスの既報の通り、カーンズは「ブル・プット・スプレッド」を行っていた可能性がある。これは、期日は同じだが行使価格の高いプットオプションを売却し、行使価格の安いプットオプションを購入する取引を指す。

ロビンフッドは、オプション取引の投機的性質についてのユーザーの理解を深めるべく、オプション売買希望者に対する審査基準と教育コンテンツの強化を表明。さらに、全米自殺防止財団への25万ドル(約2700万円)の寄付を約束した。

翻訳・編集=遠藤宗生

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