ただし、議会が新たな経済刺激策で合意しなかった場合、経済成長に悪影響が及ぶと警告した。
ゴールドマンは今年第2四半期の米国のGDP予想を以前のマイナス36%から、マイナス33%に引き上げた。さらに、今後の四半期に力強いリバウンドを見込み、第3四半期のGDP予想を33%増としている。
「5月の小売売上高などの数値により、以前の予想より迅速に復興が進んでいることが確認された」とゴールドマンは直近のレポートで述べた。
同社はさらに、今後の失業率見通しを以前よりも前向きな数値に改めている。2020年末の失業率をゴールドマンは9.5%と予測している。前回の予測値は10%だった。
一方で、今後の経済復興には重大なリスク要因もあるとしており、実質的なGDPがパンデミック以前の水準に戻るのは2021年の中頃以降になると述べている。
ゴールドマンはさらに、2021年の経済成長率予想を以前の6.4%から5.8%に引き下げた。今年第4四半期には、成長スピードがやや減速する見通しだという。「米国経済が回復に向かっていることは確かだが、不確定要素もかなり多い」と同社は述べた。
ゴールドマンによると、最も差し迫ったリスクにあげられるのが、政府の財政政策だという。連邦政府は現在、景気刺激策として通常の失業給付に週あたり600ドルを加算して支給しているが、7月末に期限切れを迎えようとしている。
議会が第4弾の景気刺激策で合意できなかった場合、国民の可処分所得は大幅に落ち込み、第3四半期のGDP成長率は大きなダメージを受ける。
ゴールドマンによると、今後の景気先行きを考える上で、最も重要な要素が新型コロナウイルスの感染拡大になるという。仮に、新規の感染者数が急増した場合、経済再開は停止し、第3四半期から第4四半期にかけてのGDPにダメージが及ぶことになる。
一方で、ワクチン開発が進み2021年の初頭から普及が進んだ場合、経済は素早く復興し、大幅なプラスがもたらされるとゴールドマンは述べている。