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カーンズは10日夜に自身のロビンフッドアカウントを見て絶望したとみられる。そこには1万6000ドルの保有資産額が表示されていたものの、同時に現金残高としてマイナス73万165ドルという額も記載されていた。フォーブスが確認したカーンズの遺書には、マージン取引を許可したことは決してなかったと主張し、少額の元手でこれほど巨額の損失を生んだことにショックを受けたことがつづられていた。フォーブスの取材に応じたカーンズのいとこは、「彼は73万ドルのマイナスを見た時、将来を台無しにしてしまったと思った」と語った。

カーンズのアカウントについての詳細は不明だが、「ブル・プット・スプレッド」と呼ばれる取引を行っていた可能性がある。プットオプションの取引では、買い手が期日内ならいつでも株を行使価格で売れる権利を与えられる一方で、売り手は割り当てを受けた場合、株を行使価格で買う義務が発生する。満期日の株価が行使価格を少しでも下回っていると、これは自動的に行われる。

カーンズは遺書で、自身が売買したプットは「相殺されるはずだった」と記している。ブル・プット・スプレッドでは通常、期日は同じだが行使価格が高いプットを売却し、行使価格が安いプットを購入する。この売買により差額が生じ、期日までの株価が、高い方の行使価格を上回っていた場合、これを保持できる。最大損失は行使価格の差に限定されるため、一般的に低リスクの戦略と考えられている。

ただ、満期日の株価が2つの行使価格の間になったり、割り当てが早かったりした場合は、厄介な事態となる可能性もある。カーンズの場合もそうだったのかもしれない。

例えば、6月16日時点で2615ドルのアマゾン株を対象にブル・プット・スプレッド取引を行うとする。期日が7月17日、行使価格2615ドルのプットオプションを28ドルで売却した上で、リスクを限定するため、これよりも低い行使価格2610ドルのプットを26ドルで購入する。この差額2ドル(x100)が、売却する契約1件につき200ドルの利益を生む。契約3件で600ドルの計算だ。

アマゾン株が7月17日に2615ドルを超える価格で取引を終えた場合、両方のプットが無価値で満期を迎えるため、収益は全て自分の懐に入る。株価が2610ドルを下回った場合は損失が生じるが、その最大額は900ドル(行使価格の差額5ドルから最初に得た利益2ドルを引き、契約3件x100をかけた額)となる。

翻訳・編集=遠藤宗生

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