そして6月18日、米国の「ドアダッシュ(DoorDash)」が新たに4億ドル(約428億円)を調達したとアナウンスした。サンフランシスコ本拠のドアダッシュの評価額は160億ドルとされた。2013年創業の同社はこれまで累計240億ドル以上を調達している。
ドアダッシュはソフトバンク傘下のビジョン・ファンド(SVF)の出資先で、今年2月にIPO申請を行っていた。しかし、パンデミックの影響で、IPOに向けた動きは停滞している。フォーブスはドアダッシュにコメントを求めたが、回答は得られていない。
プレスリリースでドアダッシュは、新たな資金で新規のプロダクト開発を行うと述べている。さらに、米国、カナダ、オーストラリアでの市場シェア拡大に向けた、マーケティング活動を強化するという。
ドアダッシュの市場シェアは昨年、競合のグラブハブを上回り、米国でトップのフードデリバリー企業となった。調査企業Second Measureのデータで、ドアダッシュのシェアは今年5月に45%に達している。
パンデミックはフードデリバリー市場を拡大させ、市場全体の売上は年初から約2倍に伸びたことがSecond Measureのデータで示された。しかし、この分野の利益率は依然として低く、統合化の動きが進んでいる。
ドアダッシュは昨年、競合のキャビア(Caviar)を4億1000万ドルで買収していた。さらに、今年5月にはウーバーがグラブハブに買収提案を行ったと報じられていた。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ドアダッシュの収支は6月30日までの四半期で、採算分岐点に達する見通しとされ、IPOを前に盤石な財政状況を築きつつある模様だ。
今回の資金調達のニュースを最初に報じたAxiosによると、ドアダッシュは昨年の2回のラウンドで10億ドルを調達していた。2020年に入ってから初の資金調達となった今回のラウンドはフィデリティが主導し、新規でDurable Capital Partnersが参加したという。