一度は大きな成功を収めていた同社は、破産管財人が選任された時点で、英国内で3店舗、世界全体では800店舗以上を運営していた。だが、各国のすべての実店舗とウェブサイトをともに閉鎖。
多くのアナリストらは当時、カリフォルニア州を拠点に1984年に創業された同社は、すでにオンラインで安価な衣料品を購入したい多くの若い消費者たちの支持を失ったのだと考えていた。
それでも同社は今年1月、eコマース事業をグローバルに展開する方針を発表。2月には、ブランド管理会社オーセンティック・ブランズ・グループ(ABG)がおよそ6300万ポンド(約85億円)で同社を買収することが明らかになった。
ABGはジューシークチュール(JUICY COUTURE)などを運営。昨年11月には、破綻したバーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)も買収している。
“新しい”フォーエバー21が、英国でのeコマース事業をグローバル戦略の一環と位置付けていると発表したのは、驚くことではない。同社は越境ECに必要なソリューションを提供するグローバルe(Global-e)と提携。すでにテスト市場で高いコンバージョン率を実現している。台湾とオーストラリアのコンバージョン率は、前年比でそれぞれ72%、133%上昇。顧客満足度も高まっているという。
フォーエバー21のオンラインストアは、95以上の通貨に対応。支払い方法は各国・地域合わせて150種類以上が利用可能となっている。また、チェックアウトのページは25カ国語にローカライズしている。
フォーエバー21のダニエル・クーレ最高経営責任者(CEO)は同社の現状について、次のように述べている。
「わが社のロイヤルカスタマーはデジタルに精通しており、シームレスで洗練されたオンラインショッピングの体験を期待しています。そのためわが社としては、オンライン販売におけるすべてのステップを確実に、そうした顧客のニーズと好みに合ったものにしておくことが不可欠です」
「わが社の成長においては、高度な機能を有するグローバルeのソリューションが、重要な部分を占めています」
「新型コロナウイルスのパンデミックによって業界全体が直面している市場の状況のなかでも、フォーエバー21ブランドには英国、そして欧州のその他各国で、根強い需要があります」