6月に発表したLGBTQコミュニティへの影響調査では、労働環境や転職活動、就職活動への新型コロナウイルスの影響の実態を調べた。収入面に加え、「安心できるつながりや居場所が失われる」といったメンタル面での深刻な影響も明らかになった。
コロナ禍の直撃した業界で働くLGBTQが3割強
調査が行われたのは緊急事態宣言発動中の4月17〜30日。全国の10〜60代の個人から464人の回答があった。このうち、正社員は46.1%で半数近く、契約社員やアルバイトなども含めて働く人が約7割を占める。
まず注目したいのは、回答者が働いている業界と職種だ。
アンケート回答者のうち32.4%の人たちが、サービス業や小売、飲食、旅行業界などのコロナ禍の大打撃を受けた業界に従事していた。
働き方の変化として、以下のグラフのように約30%の人々が「勤務時間の減少」や「リモートワークになった」点を挙げている。新型コロナウイルスの影響で「勤務先を解雇されてしまった」という人が3%いることも見逃せない。
想定年収では、平均53万3000円ダウンが見込まれることが明らかになった。回答者の約7割は、年収400万円未満だった。コロナ禍はLGBTQの人たちの生活を直撃していることが理解できる。
「コロナの影響で就職・転職」が3割強
就職、転職活動中の人はアンケート回答者のうち約4割。そのうち「新型コロナウイルスの影響」で就職・転職活動をしている人は37.8%で、労働条件の悪化や解雇、内定取り消しなどのネガティブな理由を挙げていた。
また、就職、転職活動中の人の27.7%が「LGBTに対する理解のなさ」を就職・転職理由にあげており、職場のLGBTQへの理解不足が人材流出を招いている実態が垣間見える。