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ネットフリックスCEOのリード・ヘイスティングス(Getty Images)

ネットフリックスCEOのリード・ヘイスティングスと妻のパティ・クイリンは6月17日、1億2000万ドル(約128億円)を2校の黒人大学と、黒人学生のための慈善団体UNCFに寄付すると宣言した。

ヘイスティングスらの寄付は個人からHBCUに注がれる寄付金としては、過去最大のものとなる(HBCUは “Historically Black Colleges & Universities”の頭文字をとった略語で、日本語では歴史的黒人大学、もしくは伝統的黒人大学と訳される)。

今回の寄付金はアトランタのスペルマン大学とモアハウス大学の学生200人の、学位取得を10年間に渡り支援するために用いられ、2校とUNCFにそれぞれ4000万ドルが授与される。

ヘイスティングス夫妻は声明で「私たち2人は素晴らしい教育の恩恵を受けて育ち、より多くの学生らを支援したいと考えている。中でも黒人学生らの平等な機会を支援したい」と述べた。

スペルマン大学の学長のMary Schmidt Campbellは「我々は毎年20人の優秀な学生たち選び出し、必要な学資を与えている」と述べた。

ヘイスティングスは今回の寄付とは別に、ジョージ・フロイドの死を受けて6月初旬に100万ドルをNPO団体のCentre for Policing Equityに寄付していた。

ヘイスティングズ夫妻はさらに、「HBCUは偉大な業績を収めてきたが、寄付金の面では恵まれていない。白人の寄付の多くは白人が大半を占める組織に注がれている。私たちは今回の資金で黒人学生らを支援し、より多くの人々がこの流れに加わってくれることを望んでいる。そして、この国がより平等なコミュニティになることを願っている」と述べた。

ネットフリックスの共同創業者であるヘイスティングスは、2016年に1億ドルのヘイスティングス・ファンドを設立し、教育分野の改革を支援してきた。同ファンドは以前に150万ドルをUNCFに寄付していた。

ニュースサイトRecodeによると、ヘイスティングスはロッキー山脈のふもとに公立校の教師向けのトレーニング施設を、密かに建設しているという。

HBCUに注がれる寄付金の額は、一般的な大学に比べるとはるかに少ないことが知られている。全米屈指の名門黒人大学と知られるワシントンDCのハワード大学は昨年、HBCUの中では最多の7億ドル近い寄付金を集めていた。しかし、ハーバード大学が2019年時点で寄付などから集めた基金の総額は390億ドルに達していた。

ジョージ・フロイドの死を受けて全米各地にBlack Lives Matteを掲げる抗議デモが広がり、組織的な人種差別の根絶を目指すムーブメントが拡大した。企業や個人が黒人コミュニティの支援に乗り出す動きも活性化している。

フォーブスはヘイスティングスの保有資産を49億ドルと試算している。

編集=上田裕資

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