「ただ、それは米国において“白人性”がどれほど標準化されてきたかについて考えることを促すでしょう。二度見することが、白人の特権がどれほど広く、至る所にまで浸透しているかを明らかすることにつながればと思います」
フルワイリー準教授は、文化的な対象としてみたバンドエイドは、当初は無害なものに思えたはずだと語る。だが、明るい肌色で生産してきたという長い歴史が、支配的な文化としての“白人性”をさらに強固にしてきたのだと指摘する。
「子供たちは、明るい肌色の(ために作られた)ものを使うのが標準なのだと学びます。そのことは彼らに、“これがあなたの住む世界なのだ。白人のために作られた製品に順応し、それで間に合わせなくてはならないのだ”ということを教えているのです」
スコットランドとアイルランドにルーツを持つ母親と、アフリカ系アメリカ人の父を持つ准教授は、こうした問題を個人的なレベルでよく理解しているという。
米国には、ブラウンデージズ(Browndages)やトゥルーカラー・バンデージズ(TruColor Bandages)など、小規模ながらさまざまな肌色の「ガーゼ付きばんそうこう」を販売している企業がある。
准教授は、小さな子供たちがそこに自分自身を見出せるキャラクターやパッケージを取り入れているブラウンンデージズのような企業の行動は、現在の米国の状況に反応したものではなく、そのため「より意義深いものと考えられる」と話している。