Photo by Ben Gabbe/Getty Images for NYCWFF

米ジョンソン・エンド・ジョンソンは先ごろ、人種の多様性を尊重し、異なる肌色に合った複数の色の「バンドエイド」を発売すると発表。インスタグラムに、「私たちは黒人のコミュニティーのため、具体的な変化を起こすための行動を取ることを約束します」などと投稿した。

だが、ジョンソン・エンド・ジョンソンは1886年に創業された企業。バンドエイドは1920年に社内で開発し、1921年に発売した製品だ。そして、ソフトピンクの色で作ったバンドエイドを「肌色」と呼び、広告では(肌に貼っても)「ほとんど見えない」とうたってきた。

また、同社が複数の色のバンドエイドを発売するのは今回が初めてではない。2005年に多様性を反映するための「パーフェクト・ブレンズ(Perfect Blends)」として、異なる色のバンドエイドを売り出した。だが、結局は売れ行きが悪いとして、生産を中止している。

なぜ「今」なのか─?


ジョンソン・エンド・ジョンソンのような大企業が、今このタイミングで人種間の不平等に関する声明を出すことには、どういう意味があるのだろうか? 医療人類学の専門家であるスタンフォード大学のデュアーナ・フルワイリー准教授はこれについて、次のように語る。

「多様性のあるバンドエイドが今作られると言うのは、皮肉な話です。バンドエイドが象徴するのは、傷を覆う“応急処置”です。バンドエイドを使った対処法は、奥深い部分までの癒しにつながる解決策ではありません」

「このタイミングが、現状に対する偽善的な反応だと読み取ることもできるでしょう。誰もが、歴史における“正しい側”の列に加わろうとしています」

「ジョンソン・エンド・ジョンソンは100年近く、白人の肌に合ったバンドエイドを販売してきました。ですから、同社が黒人の人間性を奪うこととの闘いにおいて取るべきより意義深い対応は、黒人の肌の色に合ったバンドエイドを作り、次の100年間はそれだけを販売することかもしれません」

「こう言えば、白人たちはどう反応するでしょうか? おそらく大半が、驚いて“二度見”するのではないでしょうか」

編集=木内涼子

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