ビジネス

2020.06.18

生活の基盤はリアルからバーチャルへ なりたい自分で生きていく「Thirdverse構想」

(左から、伴、國光、新)

2019年に世界初のマルチプレイVR剣戟アクションゲーム『ソード・オブ・ガルガンチュア』を発表した「よむネコ」は、2020年6月13日付で、社名を「Thirdverse(サードバース)」へと変更いたしました。また、ファウンダー 兼 投資家である國光をはじめ、代表取締役によむネコ創業者である新、取締役COOとして新たに伴を迎えました。

私たちはこれから、VRゲームにブロックチェーンの技術を組み合わせた「多くの人々が住める新しい仮想世界創り」に着手します。私たちはこの計画を「Thirdverse構想」と呼んでいます。3つの段階からなるこの構想は、オンライン上で人がコミュニケーションすることが当たり前となる「バーチャルファースト」の時代を牽引し、人々が自由に生きられる未来を創っていくための構想です。

「Thirdverse構想」始動


Thirdverse。

「自宅や学校・職場とは違う、自分らしい時間を過ごすことができる第三の居場所(Third Place)を仮想世界(Metaverse)上に創る」、新しい社名にはこのような想いが込められています。

VRゲームをただのゲームでは終わらせず、そこに経済圏を加えることで「多くの人々が住む、新しい仮想世界」を作っていくことを意味しています。自分らしい時間を過ごすことができる第三の居場所を、なぜ仮想空間上に創るのか。その根本には、多くの人々が今自分が生きている世界に、完全には満足していないのでは、という思いがありました。何かとストレスや心配ごとを抱えやすい今の時代。その理由の一つには、生まれ持った外見や、社会から求められる期待を背負いながら、数少ないコミュニティの中で生きていくことに息苦しさを感じる人が多いからだと思います。

一つの外見、一つの性格、一つのコミュニティで、一生を過ごす。これまでは当たり前の話でした。知らず知らずのうちに「自分はこういう人間だ」と縛っていたことにも、気がつかなかったかもしれません。しかし、もし仮想空間上で自分好みのアバター(分身)を複数持つことができたらどうでしょうか。アバターに合わせた複数の性格を持ち、複数のコミュニティを行ききしながら生活をしていくことができたら、どうでしょうか。性別も国籍も外見も関係なく、自分が選んだ好きな自分でいれる場所があったら。そこはきっと、人々が自由に生きられる素敵な世界です。

「一人ひとりが自分の手に選択肢を持ち、なりたい自分を生きていく世界」そんな自由な世界を創ることが、私たちのミッションです。前身のよむネコでは、2013年の創立以降、VRのMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)を目指して開発を続けてきました。2019年に発表したVR剣戟マルチプレイアクション『ソード・オブ・ガルガンチュア』においても、日本のVRゲーム開発では随一の技術を持っていると自負しています。この度の社名変更は、開発が順調に進む中、もう一歩次の段階に進むためのものです。思い描いていた世界を創る、Thirdverse構想を始動するための覚悟です。

2020年は人々の生活様式に大きな変化が起こり、オンライン上に集まって会話をしたり、ゲームの中で友達と集まることは一般的になりつつあります。このバーチャルファーストの流れは、VR業界にとってもThirdverse構想にとっても大きな追い風です。Thirdverse構想は、これから先の10年間を見据え、3つの段階を想定しています。現在進行中のものも含めて、順番にご説明していきます。
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取材・執筆:柴田 佐世子 編集:柴山 由香 撮影:稲垣 純也

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