バーチャル空間で好きな自分で過ごすようになる「第一段階」
第一段階では2022年完成を目標に、多くの人々がVR空間で過ごすためのプラットフォームを創っていきます。
現在はThirdverseでは、昨年6月にリリースした『ソード・オブ・ガルガンチュア』の定期的なアップデートを行っています。今はMO(複数プレイヤー参加型オンラインゲーム)型ですが、ここから数百人、数千人のプレイヤーが同時接続できるMMO型ゲームの開発を目指し、システム・技術のアップデートを繰り返している段階です。
『ソード・オブ・ガルガンチュア』のオンラインラウンジ写真
一方将来ユーザーとなる方々にとっても、これからの数年間でバーチャル空間での過ごし方はかなり変わってきます。2020年の上半期は、これまでリアルで会っていた友達とオンラインで飲み会をしたり、ゲームの中で会うことを多くの方が体験しました。特にオンライン飲み会は、バーチャル空間への移行を勢いづける重要なステップの一つだと思っていて、そう遠くない未来、多くの人が自分が映る画面にフィルターをかけるようになります。カメラアプリを使用した写真をSNSに投稿することと同じように、自分を少しよく見せるのです。
外見をよくしたいという欲求を、これまでは我々はメイクやヘアスタイルを変えることで叶えてきました。これからはフィルターを使うことで簡単に「人気女優風の自分」や「韓流スター風の自分」、「ハリウッド俳優風の自分」と、自由に楽しめるようになっていきます。友達同士で「韓流フィルターをつけて集まる韓流パーティー」などが行われるようになれば、それはもうバーチャル上の1つのコミュニティと呼べるわけです。
好きなものが同じ人同士が集まるクラスターが、バーチャル空間上にどんどん発生していくと、フィルターを変えるだけで複数のコミュニティを自由に行ききすることができるようになります。見た目が異なるそれぞれの場所で「見せる性格」が変わることも、そう不自然なことではない。
もちろん自分と違う性別を選んでもいいわけで、性別を変えたら声も変えたくなってくるでしょう。数年以内には音声会話のリアルタイム翻訳も、もっと高性能になってくるはずです。そうなってくると、言語すら関係なくなります。さまざまな自分を楽しんでいるうちに、年齢や性別、国籍を気にせずに世界中の人とコミュニケーションできるようになるでしょう。
近い将来、人類史上で初めて、「見た目が関係なくなる世界」がやってきます。長い歴史の中で払拭できなかった偏見や差別も、バーチャル空間では全く関係なくなってきます。性別も国籍も関係ない「中身で信頼しあえる人間関係」が生まれることになるでしょう。
今のソーシャルネットワークは、まだ2Dですが、これがVRとなれば3Dで自分の見た目を全て変えることができるようになります。没入感も圧倒的に変わってきます。その中で人と出会えるプラットフォームを、まずはVRゲームという形で実現していきます。