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2020.06.22

スタートアップ投資はすべて「未来の保険事業」のために

三井住友海上火災保険デジタル戦略部は、デジタル戦略部長の本山智之(写真中央)をはじめ、78名がデジタル技術を活用した商品・サービス開発や新規事業開発などに取り組む


さらに、同グループは18年6月、シリコンバレーにMS&ADベンチャーズを設立。投資枠45億円から始めたが20年1月時点で135億円まで拡大した。18年10月の投資開始以降、米国12社、独4社、英1社、印1社、イスラエル1社、シンガポール1社と米国をはじめとして世界中のスタートアップに投資をしている。

「シリコンバレーでは同グループの社員と、現地採用の人材がスピーディーな判断で投資をしている。海外投資は中長期的視点からシードステージ、アーリーステージに投資をし、国内投資はサービスとしての活用も視野に入れ、アーリーステージからミドルステージを中心に投資をしています。すべて戦略的投資をしています」

本山は最後に、次のように語る。 「これまで当社は、デジタルトランスフォーメーション(DX)、チャネル競争力の高度化、商品・サービスのデジタル対応の3つを推進してきました。今後は、こうした取り組みを継続するとともに、オープンイノベーションやスタートアップへの投資を活発に行い、社員が今まで触れることがなかった環境を提供し、新しいビジネスモデルを創造するキッカケを掴んで欲しいと考えています」


三井住友海上火災保険◎MS&ADインシュアランスグループの損害保険会社。1918年設立。資本金1395億9552万円、正味収入保険料1兆5124億円、従業員数1万4577名。近年、積極的にオープンイノベーションを行っている。

α TRACKERS(アルファトラッカーズ)◎独立系VCのグローバル・ブレインが2018年12月に設立した、オープンイノベーション推進に積極的な大企業を集めたコミュニティ。日本を代表するCVC運営企業をネットワーク化して各社の活動を支援していく。参画企業はKDDI、三井不動産など35社。Forbes JAPANはメディアパートナーとしてかかわる。

文=フォーブス ジャパン編集部 写真=若原瑞昌

この記事は 「Forbes JAPAN 4月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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