英国のブルネル大学ロンドン校とエクセター大学、グロスターシャー大学の研究チームは、24人の被検者にVR体験が可能なバイクマシンでエクササイズを行わせた。被検者らはマサチューセッツ企業のVirZOOMから提供されたVRヘッドセットを着用し、仮想空間でフランス郊外の景色を楽しみながらサイクリングを行った。
その結果、VRと音楽を組み合わせることで、サイクリング中の楽しさが26.4%高まることが確認できたという。研究チームによると、VRは4つの点でエクササイズに前向きな影響を与えるという。
まず1つ目が、運動中の気持ちを前向きにキープすることで、2つ目は気分を高ぶらせ、活発な動作を引き起こす点とされた。さらに3つ目が、雑念を取り払い運動に集中させる効用をもたらすことだった。そして4つ目が、VRと音楽のコンビネーションによって運動後の充実感が高まるという効果だ。被検者らは、より深いエクササイズの達成感と満足感を得られたと回答した。
ブルネル大学のCostas Karageorghis教授は「VRと音楽の組み合わせは、自宅でのエクササイズを、よりアクティブなものに変える」と述べている。
一方で、エクセター大学のJonathan Bird博士は「VRや音楽によって、運動中に感じる疲労が軽減できた。仮想現実に没入することで長時間、運動に没頭することが可能になる」と述べた。
VirZOOMはVRゲームを開発する企業で、今回の研究に用いられたVR機器を販売中だ。同社はオキュラス社のヘッドセットと組み合わせて使う、VZfitと呼ばれるプロダクトも販売している。
VRを活用したフィットネスアプリやゲームはその他の企業も販売しており、Dance CentralやBoxVRなどが知られている。
パンデミック以降に自宅で過ごす時間を増やした人々は多く、VRエクササイズは今後の成長が期待される分野だ。今回の研究は、VRエクササイズの効果を科学的に裏づけるものとなった。