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2020.06.17

航空各社が機内の「アルコール禁止」に踏み切った意外な理由

6月7日のサウスウエスト航空(ロサンゼルス〜ヒューストン)のフライトの様子 Photo by Mario Tama/Getty Images

デルタ航空やアメリカン航空、KLM、イージージェットなどの航空各社は運航の再開を進めているが、機内でのアルコール類の提供を停止している。CNNの報道によると、これは乗客がトイレに行く回数や、マスクを外して過ごす時間を減らし、感染拡大を防ぐためだという。

パンデミック後の運航再開にあたり、多くの航空企業が食事や飲み物の提供を減らしており、ボトル入りの水だけを提供する場合も多い。また、多くの場合、マスクの着用が必須とされている。

アメリカン航空は通常時の55%のキャパシティで運航中だが、国内便のエコノミークラスの大半でアルコールを提供していない。しかし、ファーストクラスや長時間に及ぶ国際便では酒類を提供中だ。

英国の格安航空のイージージェットの場合、飲み物のオプションは水だけで、トイレの利用に関しても乗務員がモニタリングを行っている。オランダのKLMも、機内にアルコールを用意していない。

デルタ航空は国内便及び米国に向かう便でのアルコールの提供を中止した。しかし、国際便ではビールやワイン、ウイスキーなどの提供を継続中だ。

米国の空の旅は、今年2月と現在とでは全く異なるものになった。主要なアメリカの航空会社は、乗客らにマスクの着用を義務づけている。

6月11日には50万2000人の米国人が空港の手荷物検査場を通過したが、4月には過去最低の10万人以下を記録していた。昨年の今頃の平均的な旅客数は、1日あたり200万人から250万人だった。

米国の国務省は現在、渡航警戒レベルを最高のレベル4に引き上げ、国民に全ての海外渡航の中止を勧告している。また、国外に滞在している米国民に対しては、すみやかに退避するよう呼びかけている。

編集=上田裕資

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