ビジネス

2020.06.17

フォートナイト運営元、企業価値1.8兆円で800億円調達へ

Photo by Chesnot/Getty Images

新型コロナウイルスのパンデミックは、スタジアムでの競技の開催を不可能にし、スポーツチームに甚大な経済的ダメージをもたらした。しかし、ビデオゲーム業界では逆の現象が起きている。

6月15日のVentureBeatの記事によると、人気ゲーム「フォートナイト」の配信元のエピックゲームズが7億5000万ドル(約800億円)の資金調達を実施しようとしている。今回のラウンドにはT ロウ・プライスやベイリーギフォードに加え、既存出資元のKKRも参加したという。エピックゲームズの評価額は約170億ドル(約1.8兆円)とされた模様だ。

フォートナイトの利用者は3億5000万人を超えている。エピックゲームズはその他のゲームの基盤となるエンジンの、Unreal Engineのクリエイターとしても知られ、映像制作事業にも乗り出している。

フォーブスは昨年11月に、北米プロアイスホッケーリーグNHLの企業価値を210億ドルと試算し、メジャーリーグサッカーMLSの価値を75億ドルと試算していた。エピックゲームズの価値はMLSを上回ることになる。

エピックゲームズの創業者でCEOのティム・スウィーニーは同社株の50%を所有し、保有資産は45億ドルとされている。同社の最大の株主である中国のテンセントは、2012年に株式の48%を3億3000万ドルで買収していた。

Pitchbookのデータによると、エピックゲームズは今年4月に5億ドルから10億ドルの資金調達を計画中と報じられた、SNSアプリのHousepartyを保有している。ディズニーやEndeavorもエピックゲームズに出資を行っている。

パンデミック以降に人々が自宅で過ごす時間を増やした事を受け、ビデオゲーム企業への関心は高まっている。フォートナイト内で開催されたラッパーのトラビス・スコットのコンサートには、1200万人以上の観客が詰めかけた。

クリストファー・ノーラン監督の新作映画「テネット」も、フォートナイト内で予告編をオンエアした。

ゲーム大手のジンガも先日、トルコのモバイルゲーム企業Peak Gamesを18億ドルで買収していた。また、5月にはAppLovinがモバイルゲーム企業Machine Zoneを買収していた。

編集=上田裕資

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