「ワークツール」としてのスキンケア。メンズ市場に新たな選択肢を


D2Cブランドの台頭で変わるこれからの市場傾向


D2C型のブランドが世の中にもたらす最大のメリットは、大手メーカーだと経済規模的に合わないニッチな層や、細分化した価値観に寄り添ったものをつくれることである。

大手メーカーをはじめ、これまでの男性向けコスメ・スキンケアブランドの多くは、マスを中心とした広告宣伝を大量に投下し、SKU(商品ラインナップ)を最大限に増やし、売り場の棚を独占してシェアを高めることによって市場を拡大してきた。これまでの販路を中心に考えると、ニッチな属性や価値観に対応したブランド・プロダクトを投入するのはリスクが大きい。なので、そこを僕たちが担っていきたいと考えている。

ここ数年の男性の意識変化によって、メイクや肌のケアに当たり前のように時間やお金を使う文化が築かれつつある。同時にD2C型のブランドも市場にどんどん参入し、新たな価値観を持った男性向け、もしくはユニセックスなコスメ・スキンケアブランドが社会を賑わせていくだろう。傾向としては、ひとつのメガブランドが席巻するのではなく、細分化された嗜好や価値観にアプローチし、数万、数千規模の熱量の高いファンに支えられるブランドが共存していくことになると僕は予想する。



我々『LOGIC』は、主なターゲット層はビジネスリーダーやハードワーカーであり、パフォーマンス向上につながるプロダクトを提供し続けることで貢献していきたい。それと同時に、最適・最低限のミニマルスキンケアの提供によって、より多くの男性がスキンケアを習慣化する入り口となることで、この市場を盛り上げていきたい。

長い間つくられてきた偶像としての男らしさに縛られず、それぞれが自分らしくコスメやスキンケアを楽しめる時代になってほしいと心から願っている。僕らのチャレンジに、ぜひ期待していただきたい。


佐々木智也◎PARK Inc.代表取締役/LOGIC事業責任者。企業のブランディングを軸にWEB、パッケージ、広告等のアートディレクターとして活動。2017年頃からコスメブランドのブランディング・デザインに従事。ヘアケア、スキンケア、メイクなど多岐にわたって手掛けた経験を通じてコスメの楽しさに目覚め、『LOGIC』を立ち上げる。1日1回はドラッグストアやバラエティショップへ通い、年間100アイテム以上を試しているコスメオタクでもある。

編集=新國翔大

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