「ワークツール」としてのスキンケア。メンズ市場に新たな選択肢を


多様化した男性の嗜好に応える新たな選択肢として


そんな僕自身のスキンケアへの意識はどうかというと、仕事柄深夜に帰宅することも少なくなく、大切さをわかっていても丁寧に肌のケアをする時間を確保するのは正直難しい。一方で、僕に限らず、仕事とプライベートの垣根を飛び越えて働くハードワーカーにとって、肌のケアもパフォーマンスのひとつだと考えている。プレゼンテーションにはじまり、インタビュー、登壇、ネットワーキング、そして社内での対人コミュニケーション。顔つきや肌の調子はビジネス上とても大切だ。周囲のいろいろな人にその課題をぶつけてみると、思った以上に共感の声が多かった。

では、ハードワーカーの人たちが、使いたくなるスキンケアとは一体どういうものなのか。僕が仕事を通じて出会うことの多い、スタートアップ・ベンチャーの起業家やマネージメント層の人たちの多くは、ワークライフバランスに縛られすぎることなく、大きな目標や志の実現に向けて上限のない働き方をしている。彼らの多くに共通すること、それは「時間が惜しい」というインサイトだ。例えば同じ服を何着も持っていたり、家には余計な物を置かなかったり、コミュニケーション方法ひとつとっても、ツールを活用してスマートに行い、忙しいゆえとにかく効率化やライフハックに余念がない。

さらに、忙しいという事実以前に、そもそも男性にとってスキンケアは「めんどうくさい」ものである。根本的なこととして、女性は成長の過程の早い段階で、肌をケアする重要さ・メイクして美しくすることの習慣や原体験を持つが、男性はよっぽど美意識が高い人でもないとなかなか習慣化できない。僕も日々たくさんの化粧品に囲まれた生活をしているが、現にそのひとりだ。また、昨今の男性のスキンケアの意識の高まりで、男性向けのブランドが発信や啓発することも増えてきているが、どれも「丁寧」だったり「お作法」だったりを良しとする傾向があり、それだとまだ生理的なハードルが高いと感じる。

そこで、丁寧さやお作法を求めがちなこれまでのスキンケアに対し、最適・最低限のスキンケアで「めんどうくさい」から解放し、習慣化を実現させ、その結果として仕事のパフォーマンスを上げるためのスキンケアブランドを目指したのが『LOGIC』だ。

『LOGIC』は“ワークツール”としてのスキンケアがコンセプト。僕は以下の3つの条件をクリアすることを掲げて開発を進めた。

1. わずらわしさから解放し、可処分時間を少しでも増やす。
2. お作法やコツなどいらず、毎日続けられる簡単さ。
3. 必要最低限のミニマルなケアの提供。

これまでのスキンケアのプロセスをショートカットすること。王道的なケアに負けないバランスのよい処方を実現すること。ハードワーカーがラクして続けられる“ワークツール”として、エアゾールタイプの泡洗顔とミスト化粧水の2アイテムを開発した。



『LOGIC』のブランドづくりにおいての土台は、夢中になって忙しく働く行為や人をポジティブに捉えたいという想いである。昨今、忙しく働くことがネガティブに扱われるようになってきた。もちろん、押し付けられた忙しさは避けるべきだし、決して長時間労働を肯定するつもりはない。しかし、高い目標や志を持ち夢中になって働いている人は、みな忙しい。『LOGIC』はそんな方々のパフォーマンスの向上を支えたいし、メンズスキンケア市場の新しい選択肢になりたいと考えている。
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編集=新國翔大

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