イノベーションの舞台裏

ここ数年、世界規模で男性用化粧品の市場が元気だ。

アメリカをはじめ、お隣の韓国はもちろん、中国も拡大し続けている。日本も例外でなく、成長の一途を辿っている。また、感覚値ではあるが、自分の周辺でも肌のケアに時間やお金をかけている男性をよく目にする。

僕は普段、企業のブランディングやクリエイティブを手掛けるPARKという会社でアートディレクターを務めている。2020年夏より、自社事業としてメンズスキンケアのD2Cブランド『LOGIC』を立ち上げることになった。約20年近くデザイン・クリエイティブの仕事に携わってきた僕にとって、新たな挑戦だ。



目指したのは“ワークツール”としてのスキンケア。『LOGIC』は、起業家、クリエイター、さまざまなスペシャリストなど、仕事とプライベートの境界を超えて常に忙しく活躍している人の仕事のパフォーマンスを上げるためのスキンケアブランドである。6月4日にMakuakeにて、『LOGIC』の先行販売をスタート。多くの方に共感、応援をしていただき、開始から25分で目標金額を達成、公開初日で目標金額の528%となる総額1585870円(6/4 22:00時点)の支援をいただいた。

ガラパゴス化した日本のメンズコスメ・スキンケア市場に対する違和感


僕がスキンケアブランドを立ち上げたきっかけは、女性向けコスメ市場との関わりだった。3年ほど前から女性向けコスメブランドのブランディング・デザインの仕事に携わるようになり、今では多くのブランドや商品を調査・体験するのが日常化している。女性向けコスメブランドは、さまざまな個性やライフスタイルに対してメジャーなものからニッチなものまで幅広く、選択肢にあふれているのが新鮮で、とても魅力的に感じた。これを女性だけの楽しみにしておくのはもったいないくらいだ。

その一方で、女性向けコスメの選択肢が星の数ほどあるのに対し、男性向けコスメの選択肢の少なさを改めて痛感した。さらにその数少ない選択肢の中でも、何十年も前からいまだに「男らしく」、「モテる」、「男をあげる」といった背後に異性が見え隠れするような訴求が大半を占めていて、つくり上げられた男の偶像を追いかけているような違和感があり、窮屈さも感じていた。

今の時代、ひとことで男性と言っても、旧来の男らしさに興味がなかったり、純粋に自分を美しく見せたかったり、ミニマリストのように常に合理性を考えたり、さまざまな男性がいる。ジェンダーによる固定観念があいまいになってきた今、その境界線がなくなりつつあるのを実感する人が増えているにもかかわらず、市場が追いついていないのが現状だ。


そんな中、消費のEC化が進んできたことで、さまざまな分野で消費者ニーズにより的確にアプローチするD2C型のブランドが支持を集める機会が増えてきた。男性向け市場の選択肢の少なさに強い問題意識を持っていた僕は、自分のようなライフスタイルやワークスタイルに合ったスキンケアをつくれないだろうか? と考えるようになった。

編集=新國翔大

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