ゲイツとベゾスは「Equality Can’t Wait Challenge(平等を待っていられない)」という名のコンペティションを開催し、2030年までに米国女性の地位と影響力を高めるための優れたアイデアに3000万ドル(約32億円)の賞金を授与しようとしている。出資元はゲイツの投資会社Pivotal Venturesで、マッカーサー基金の関連団体Lever For Changeが運営を手がける。
ベゾスは6月16日の声明で「ジェンダーのギャップの解消は、全ての人に幸福をもたらす。エネルギー問題やイノベーションにフォーカスする今回のコンペティションは、世界を前向きに変えていく」と述べた。
また、ゲイツは「根強く残る不平等がこの国を分裂させている。人種やジェンダー、階級による分断を取り除くためには、根本的な変化が必要だ。現状を打開し、女性たちのパワーや影響力を高めるための大胆なアイデアを求めている」と述べた。
メリンダ・ゲイツは以前から女性の権利の問題について声をあげてきたが、ベゾスは自身の慈善活動について多くを語ってこなかった。
昨年、アマゾン創業者のジェフ・ベゾスとの離婚を成立させたマッケンジー・ベゾスは、資産の半分以上を慈善事業に寄付する取り組みGiving Pledgeに参加し、貧困家庭を支援するBlue Meridianへの支援を表明したが、今回の取り組みは最も注目度の高いものと言える。
今回のコンペティションで求められているのは、女性の活躍を阻むバリアを取り除くためのアイデアで、時代遅れのシステムやジェンダーに関する固定概念を打ち破るための施策が要求されている。詳細は公式サイトに記載されているが、賃金格差などの問題の解決に向け、何らかの具体的成果を視野に入れたアイデアが求められている。
Lever for Changeの代表を務めるCecilia Conradは、「1985年当時の米国の女性の平均賃金は、男性の65%程度だった。2018年には82%まで向上したが、1年あたりの上昇率は1%未満だ」と述べている。彼女は今回のチャレンジが、賃金の格差の解消を促すことを期待している。
Equality Can’t Wait Challengeへの参加はオンラインで受付け中で、参加登録は9月1日まで。書類の提出期限は9月22日までとされている。その後、2021年の初旬にファイナリストが発表され、来年夏に受賞者が選ばれる。賞金の3000万ドルは、最も優れたアイデアを提案した受賞者たち2人に与えられる。