ルルレモンの株価は3月に年初来の最安値をつけて以降、2倍以上に値上がりしている。これは、投資家たちが同社を「衣類の快適さを重視する在宅勤務の人が増えたことで、特に恩恵を受ける企業」とみていることが理由。
競合するアディダスとアンダーアーマーの第1四半期の売上高はそれぞれ、前年同期と比べて19%、23%減少した。ウィルソンはルルレモンの売上高が両社より小幅な減少にとどまったことに関連して、「快適さを求める動きがある…また他の服に戻るのは、かなり難しいでしょう」と指摘している。
ルルレモンは2023年までに、メンズとデジタル部門の売上高を2倍に、国際事業部門4倍に引き上げることを目標に掲げてきた。シューズやパーソナルケアなど、取り扱う商品の幅を広げることに取り組んでいるほか、ロイヤルティプログラムをはじめ、顧客向けのサービスの拡充にも力を入れている。
また、ルルレモンはこれまで、主に直営店とウェブサイトでの販売に力を入れてきた。これは、百貨店やショッピングモールへの出店数が多いその他のブランドほど、パンデミックから大きな打撃を受けずに済んだ要因といえる。
たとえば、アンダーアーマーは販売のおよそ60%を、5月に破産法の適用を申請した米百貨店J.C.ペニーを含む卸売チャネルに依存してきた。ウィルソンはアンダーアーマーについて、「率直に言って、回復は難しいでしょう」と述べている。
ルルレモンは489ある店舗のうち、すでに3分の2近くの営業を再開。6月末までに、全店舗を再開させる予定だ。