ウィルソンは同日、バンクーバーの自宅でインタビューに応じ、「現在のところ、ルルレモンと同じような位置づけにある企業はほとんどないでしょう」「ルルレモンはエンジンをフル回転させていますよ」などと語った。
ウィルソンは2015年、ルルレモンの薄手のレギンスはどの体形の女性にも適したものではないと発言。批判を受けてCEOを辞任した。ただ、その後も同社株の8%を所有している。
新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)が始まって以降、ルルレモンの株価は上昇しており、ウィルソンの保有資産は同社株だけでも、30億ドル(約3220億円)程度に急増したとみられている。フォーブスの推計では、その他の資産と合わせ、現在のウィルソンの資産はおよそ52億ドルにのぼる。
「快適さ」の需要増が追い風に
ルルレモンが発表した今年第1四半期(2~4月)の決算では、売上高が予想を下回る前年比17%の減少となった。新型コロナウイルスのパンデミックにより、店舗の一時閉鎖を余儀なくされたことで影響を受けた。
だが、レギンスやマットを含む取扱商品のオンライン販売に力を入れたことで、Eコマース部門の売上高は4月に125%の増加を記録。全体的な打撃を和らげた。また、同部門の売上高が増えたことが、市場シェアの拡大にもつながっている。
ウィルソンは同社について、「株の値動きを見ると、5年後にはアディダスを超えるのではないかと考えられます」と話す。ルルレモンの時価総額は現在、およそ395億ドル。アディダスの時価総額はおよそ479億ドルだ。コーエン・アンド・カンパニーのアナリスト、ジョン・カーナンも、ルルレモンの時価総額は500億ドルを超える可能性があるとの見方を示している。