正しい情報のみが広まるような世界を実現できれば理想的なのでしょうが、間違っている情報を遮断しようとすれば、真実を得る機会も失ってしまうかもしれないというのが難しいところです。そして真偽の判断をソーシャル・メディア・プラットフォームが行うとなれば、必然的に今度は彼ら自身が「門番」になってしまうでしょう。
このような集権的な意思決定の仕方は、その企業の本社がどこにあるかによって、より大きな意味で影響を及ぼす可能性があります。FacebookやTwitterは、言論の自由を支える重要な媒体として世界中で活用されてきましたが、これはそれらの企業が言論の自由を今のところ尊重する国を拠点としているからです。WeChatやWeibo、QQなどの中国を拠点としたサービスはそうではありません。
つまり、中央集権型のソーシャル・メディア・プラットフォームは2つの大きな課題を抱えています。
コンテンツを管理する場合、それが善意に基づくものだったとしても、そのプラットフォームは「真実の裁定者」として非常に大きな負担を背負うことになります。そして、集権的な意思決定であるため、いったんそこが崩れれば、悪用や政治的バイアスに歯止めがきかなくなってしまいます。
ジャック・ドーシー氏を評価するべき点は、彼自身もこれらの問題をおそらく非常に強く意識しているということです。12月に、彼はTwitterを分散型へと転換することを検討していると発表し、「情報の悪用や、誤解を招くような情報に対処するためのグローバルポリシーを実践するにあたって、集権的なやり方では、多くの人に過度の負担をかけずに長期的にスケールすることが難しい」と説明しました。
いずれ、Twitterもしくは他の分散型SNSによって、「管理」と「言論の自由」の最適なバランスが見つかるのかもしれません。