テクノロジー

2020.06.17 14:30

ネットの誤情報という難問 トランプの発言にフラグを付けるべきか?


Twitterのこの対応は、何が正しく、何が間違っているかをソーシャル・メディア・プラットフォームが判断するべきだという考えを肯定するものです。これは取り返しのつかない方向へ向かう危険性をはらんでいます。
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まず、想像以上に大変な労力を必要とする事態を招くことになるでしょう。もしトランプ大統領の発言を正すことをTwitterがよしとするなら、大きな影響力を持つ世界中の他の政治家たちに対しても同様に正す責任を負うことになります。これは手に負えないというだけではなく、一瞬にしてTwitterを政治的バイアスのかかったプラットフォームへと歪めてしまうでしょう。

もちろん、このような方向に進むことをTwitterは意図していないでしょうが、彼らの選択の行き着く先として避けられない未来です。客観的であろうとした結果、真逆なことになっているのです。また、ドナルド・トランプ氏がおそらく史上最も「ファクトチェック」されている人物であることを考えれば、今回の行動に伴う犠牲はその対価にまったく見合っていないでしょう。

次に、どのくらいファクトチェックするべきかという問題があります。この問題は政治家だけに留まるものではありません。疑似科学から陰謀論まで、インターネットは誤情報にあふれています。
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もしこれらの話題に関するツイートに「事実確認をしてください」というラベルがついていなければ、正しい情報だという意味になるのでしょうか?掘り下げれば掘り下げるほど、問題が複雑であることがわかります。

誤解しないでいただきたいのですが、誤情報は実際に深刻な問題です。インターネットがもたらした最も画期的な変化の1つが、情報を管理する「門番」のような存在を取り除き、誰でも情報を発信できるようにしたことです。

しかし、このパラダイムシフトは諸刃の剣でした。両極にある情報を誰もが手に入れられるようになり、より多くの情報が広がるようになっただけではなく、それとともに誤情報も広まることになりました。

新型コロナウイルスのパンデミックで見たように、ソーシャルメディアは予防や治療に関する重要な情報を大衆に広めることに役立ちます。しかしそれは同時に、怪しい治療法や陰謀論、そして「5Gが新型コロナウイルスを拡散させる」などといった誤情報の拡散を助長してしまうのです。
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