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岐阜県高山市

コロナ禍、コロナ危機、アフターコロナ、ウィズ コロナ、コロナ時代の新たな日常など……、時間の経過とともに、現在、さまざまな言葉で、今回の新型コロナウイルスによる感染拡大の「いま」が表現されている。

では、その来るべき「新たな日常(ニューノーマルとも言われている)」とは、どのようなものなのだろうか? 実際、ステイホームのまっただなかの頃、人々の多くは収束後の社会や暮らしに何らかの大きな変化が起きるのではないかと感じていた。

それらを不安に感じる人々のために、政府は、かなり威勢良く、持続可給付金をはじめとして「Go Toキャンペーン」など、各種多様な支援策を掲げてきたが、その後、運営方法などをめぐって、ほころびが多々見えてきたのは周知のことだ。

緊急事態宣言の全面解除にともない、いちおう「収束後」となりつつある現在だが、嵐の後での晴れ渡った青空のように、くっきりとした変化が訪れたというよりも、まだまだ薄曇りのぼんやりとした曇天のように思える。


緊急事態宣言解除後、6月5日の渋谷の様子(Getty Images)

例えば、厚生労働省の「新たな日常様式」の実践事例や、専門家会議の提案である「手洗い、咳エチケット等の感染対策」「『3つの密』の回避」「人との接触を8割減らす10のポイント」などを読んでみても、基本的な感染対策については健康志向の人なら大部分が普段から行ってきたことでもあり、劇的な暮らしの変化が提示されている感じはしない。

一方、体調が悪ければ無理して学校や会社に行かずに自宅療養をとか、満員電車に乗らないのではなくそういう状況をつくらないための働き方について考えるべきだとか、職場環境や学びの場の詰め込み状況をなんとかしなければなど、意識改革と社会インフラの構築に対するさまざまな課題が、今回の新型コロナを機に明確になってきた。

それらの課題に対して、「誰が」「どう」解決すべきなのか。もう一度、冷静に考え、その問題解決に、いかに具体的に向き合うかが「新しい日常」への前向きな対策だと感じているのは私だけではないはずだ。その結果、未来に向けた劇的な変化や新しい日常が生まれることを期待したい。

私の専門である観光という観点から言えば、過去にもしばしば問題視されてきた、観光地に人が集まり過ぎて地域住民の生活インフラを脅かす「オーバーツーリズム」の回避や、地域にお金が落ちる仕組みの構築など、コロナ禍がなくとも、今後の日本の持続可能な観光振興(サステナブルツーリズム)の実現のために取り組むべき重要課題はあったわけで、それについての見直しの機会が、前倒しで来たということだと思っている。

文=古田菜穂子

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